過去ログ - 提督「この世界にいらないもの?」
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18:名無しNIPPER[saga]
2015/07/27(月) 15:44:25.69 ID:NYc+OQMZ0
時雨は夕立と長い付き合いだが、夕立のことを「繊細」と形容する日がくるとは夢にも思わなかった。この繊細さは危ういものだ。

時雨はよもや夕立が引きこもるなんて夢にも思わなかった。夢にも思わなすぎだが、そもそも夕立が一人の男性を思い浮かべて上の空に体をくねらせる事自体を時雨は夢にも思わなかったのだから、一連のことを夢にも思わないのは当然のことだった。

夕立は料理で失敗したからってだけで引きこもろうとしたわけではない。夕立は出撃でも大破を繰り返したのだ。その原因は提督との甘い恋愛の空想にふけっていたからであって、夕立はそれをやめなければならないと知りつつもついぞそれを止めることが出来なかった。

夕立の身を案じた提督が夕立を艦隊から離すのにそう時間はいらなかった。出撃や遠征で艦娘たちが出払った静かな鎮守府の一室でボーっとすることが増えた。何をするでもなかった。ただ提督を空想すること以外は。でも、それと同時に艦隊から外されたことが夕立の頭によぎるのだった。

夕立は駆逐艦の中では異例の戦果を上げ続けて、提督によく褒められもした。夕立は戦闘に自負心を持っていた。しかし、いまや補欠要因。夕立の中で絶対的ともいえる大きな自信が喪失した瞬間であった。

提督との甘い空想にふけりたいという衝動が一方にあり、もう一方にはそこから思い起こされるのは夕立自身の惨めさであり、それを避けたいと強く思う気持ちだった。


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