過去ログ - 八幡「誕生日ってなんだろうな」
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13: ◆.XibMUKIvI[saga]
2015/08/07(金) 23:49:45.61 ID:N6QgKwrI0

『八幡お誕生日おめでとう! 直接言いたいけど、中々会えないもんね? お互い勉強大変だけど、目標に向かって頑張ろう! 』

3通目は戸塚からだった。思わず口元を手で覆って隠す。こんな顔、周りに見せられるかよ。
返信をタップして文字を入力していく。
以下略



14: ◆.XibMUKIvI[saga]
2015/08/07(金) 23:51:43.24 ID:N6QgKwrI0

×      ×      ×


ブラインド外の空の色はすっかり薄暗色に染まっていた。
以下略



15: ◆.XibMUKIvI[saga]
2015/08/07(金) 23:52:58.10 ID:N6QgKwrI0
「なんだよそれ。で、何買って帰ればいいんだ?」

『んーとね、洗剤とー。あとはろうそくかな?』

「洗剤とろうそく? 変なチョイスだな」
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16:名無しNIPPER[sage]
2015/08/07(金) 23:53:43.69 ID:fvB6mNTBo
期待


17: ◆.XibMUKIvI[saga]
2015/08/07(金) 23:54:46.85 ID:N6QgKwrI0

ただの数字の羅列。登録外を意味するそれに、思わず眉根が寄る。

一瞬かけ直そうかと思ったが、やめた。ランダムに発生させた番号で電話してきた業者かもしれないし。普段は問答無用でシカトするのに、今日の俺は少しだけ違った。きっと心が弛緩しているせいだ。そうに違いない。
軽くかぶりを振って、荷物を纏める。朝から長いことお世話になった予備校を出て、俺は自転車で走りだした。
以下略



18: ◆.XibMUKIvI[saga]
2015/08/07(金) 23:56:33.58 ID:N6QgKwrI0


小町のお使いを終えて、ようやっと家路につく。
汗をかくのも嫌なので、比較的のんびりとしたペースで走る。それでも、纏わりつく夏の暑さの前には無駄な抵抗なようで、ほどなくして額や背中に不快な汗が流れ始めた。これはもう季節柄仕方がないことだ。

以下略



19: ◆.XibMUKIvI[saga]
2015/08/07(金) 23:58:00.63 ID:N6QgKwrI0

今日は誕生日。
例え誰にも祝って貰えなくとも、自分が無価値で、生きる意味のない人間だなんて本音では思いたくない。それはそのまま、人生の否定だ。今までの生き方を全否定する行為だ。生きたいと願って死んだ人間への冒涜だ。

今日は誕生日で。
以下略



20: ◆.XibMUKIvI[saga]
2015/08/07(金) 23:59:18.39 ID:N6QgKwrI0

これはスパムではないと。そんな直感があった。
しかしそうなると、一方的に番号を教えた相手か。はて、誰かいただろうか。でも、まあいいかと、ポケットにしまい込みぐっと脚に力を込める。

終ぞ、それに折り返すことはないだろう。電話の主は怒るだろうか。呆れるだろうか。
以下略



21: ◆.XibMUKIvI[saga]
2015/08/08(土) 00:00:47.91 ID:fe/1sMHr0

外から見ても家の中は暗い。
光が漏れ出ない家には人の気配がせず、寂しい印象を受けた。
あれ、小町がいるはず、だよな?インターホンを鳴らす。それの応答はない。

以下略



22: ◆.XibMUKIvI[saga]
2015/08/08(土) 00:01:53.03 ID:fe/1sMHr0





以下略



23: ◆.XibMUKIvI[saga]
2015/08/08(土) 00:02:58.67 ID:fe/1sMHr0
クラッカーの炸裂音が響くと、反射的に体がびくりと震えた。それは我が家の愛猫も同じで、とっとっとっと軽快な足取りで俺の脚をかすめ、リビングを出ていく。
状況が理解できない。そんな心境で、目の前の3人をただぼうっと見据える。

「ぷっ、あはは! ヒッキー驚きすぎでしょ」

以下略



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