46: ◆xedeaV4uNo[saga]
2015/08/24(月) 09:50:04.45 ID:aYmvm1JN0
最初に命中弾をもらうのはあたし。そう考えてたけど実際は逆だった。
同じように後ろを取ろうとしていた鳥海の周りに生じた水柱が収まると、艤装に黄色いシミが生じていた。
『鳥海、艤装が中破。機関出力を六割に落としてください』
神通の判定に、はっきり分かるほど鳥海のスピードが落ちる。
これはいける。
今の命中は幸運もあるけど、足が鈍ればそれだけ当てやすくもなる。
主砲を交互砲撃から斉射に切り替える。速度も優勢な分、あたしがより有利な位置を取れる。
「このまま押し切ってやる!」
――油断してたわけじゃない。そう、後から考えてもこれは油断だったとは思えない。
けれど、あたしの目論見は次の砲撃で打ち砕かれていた。
あたしの斉射が水柱を林立させただけに終わった中、鳥海の放った主砲弾が間近に落ち左手にぶつけられたような振動を感じる。
いくらペイント弾でも完全に衝撃がなくなってるわけじゃない。
『摩耶、小破。左腕の主砲は発射不能』
鳥海はさらに右手の主砲を海面に突き立てると、そこを軸にして強引に軌道を変えてくる。
杭を立てて回転するような動きが終わると、ちょうどあたしと正対する形になった。
火力が落ちた以上、正面からの撃ち合いはあたしの有利とはならない。
あたしも横へ回り込もうと進路を変えつつ撃ち合う。次の着弾でさらに被害が増えて艤装全体にまばらながらペイントが着く。
『摩耶、小破。戦闘能力に変更なし』
次に同じような当たり方をしたら中破――当たり所によっては大破まで持っていかれかねない。
これが手数の差かよ。
鳥海にも少しはペイントが増えてるけど、浅い傷が増えただけって感じだ。
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