61: ◆xedeaV4uNo[saga]
2015/08/24(月) 10:09:31.17 ID:aYmvm1JN0
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
模擬戦の翌日、あたしは最後になるだろう秘書艦業務に就いていた。
最初から一週間だけという話だったし、今後はよほどのっぴきならない事情でもない限りは引き受けないつもりだった。
慣れないもんは慣れないんだ。
……鳥海にも悪いしな。
いつものように初めの一時間は書類仕事に勤しむと、やっぱり提督はいつものように飲み物を持ってくる。
違うのは今日はラムネじゃなくて日本酒を持ってきたことだ。
「おいおい、真昼間から酒かよ」
「くくく……祝い酒ならいいって言ったからな」
「言ってたけど何を祝うんだよ。模擬戦は鳥海に勝てなかったし」
「じゃあ鳥海の戦勝祝いとか」
「嫌味かそれ。けどまぁ確かにそれも悪くねえかもな」
提督はコップに酒を並々と注いでいく。
入れ物にこだわらない大味なとこは男だな、なんてどこかで思う。
杯を交わして――ただのコップだけど口をつける。
甘みを含んだ重たい液体が体の中に落ちていく。
酒に弱い気はないけど、ちょっと気分も良くなってくる。
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