63: ◆xedeaV4uNo[saga]
2015/08/24(月) 10:11:23.55 ID:aYmvm1JN0
「今は一番頼りにしてる秘書艦だな」
「ふーん、そっか。でも、それは秘書艦としてなんだろ? あたしが聞きたいのはさ、もっと個人的にどう思ってるのかだよ」
提督は水でも飲むように酒を流し込んでいた。結構飲むんだな。
「俺は摩耶が羨ましくなることがある。特に最近は」
「なんであたしがここで出てくるんだよ」
「鳥海は摩耶になら砕けた口調で話すからな。それだけ気を許してるってことじゃないか」
「むしろ、あたしに敬語を使った試しがないことのほうが問題だろ。姉さんたちにはたまに敬語で話すのに、あたしには一切なしだぜ?」
そう、あたしには使わない。気を許してるっていうか、扱いがぞんざいなだけかもしれないじゃん。そんな扱いとは思わないけどさ。
そして鳥海が敬語を使い続ける理由はすんなり想像がついた。
「あたしは鳥海じゃないけどさ、あいつはたぶんこう考えてる。親しき仲にも礼儀あり、ってね。それより回りくどいのは苦手なんだ。提督がそう思うのは鳥海ともっと仲良くしたいってことだろ?」
「……もう一歩踏み込んでみたいとは思う」
「やってみりゃいいじゃねえか。あいつは――きっと嫌がらない」
「お腹触ってみたい、と言ってもか?」
「は?」
「摩耶には分からないかもしれないが、あんな健康的な肌を始終見せつけられるのは一種の拷問だぞ」
「知らねーし。ってかあたしも鳥海と同じ服装なんだから、あたしにもそう思ってるのか?」
「……鳥海ほどにじゃないが」
提督は無言で目を逸らした。
「……この変態が。もう勝手にしやがれ」
実際、そんなことを言われたら鳥海はどうするんだろう。あたしにはちょっと想像がつかない。
……けど受け入れそうな気がする。そこまで来ると、後は色々と早そうだ。
鳥海がそうと決めたのなら、あたしにはもう止められない。だったら本当にそうなるかもしれない前に。
「提督、もし鳥海をこれからも秘書艦にしようって言うなら一つだけ約束してほしい。というより……頼みだ」
余計かもしれないことをあたしは言う。
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