過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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252: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:40:30.18 ID:s8phhYh5O
そして、文末に控えめな表現で記された「アイドルとしての活動をさせてはどうか」と云う提案。

凛の集中力は素晴らしい。だからこそ折れる時は――直前まで気付かず、兆候なく折れてしまう。

仕事をすることが、一種の気分転換になるのではないか。
以下略



253: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:41:02.06 ID:s8phhYh5O
事務所は保育所ではない。

各アイドルに割ける予算も限られている。

CGプロが本格稼働を始めてからおおよそ一箇月。
以下略



254: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:41:40.55 ID:s8phhYh5O


――

凛は、脳天に固い物が当たる感触で鈍く覚醒した。
以下略



255: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:42:11.12 ID:s8phhYh5O
そこでようやく、古文の授業中に寝てしまったのだと気付く。

きっと冊子の角――あの痛いところ――で小突かれたのだ。

はっ、と一気に意識が戻り、慌てて上体を起こす。
以下略



256: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:42:39.14 ID:s8phhYh5O
その様子を見届けた先生は、特に何かを云うことはせず、咳払いをしながら教壇へと戻って行った。

教室内は、“気難し屋”が見せた珍しい光景にざわついている。

隣で涎を垂らしながら爆睡しているまゆみのことは、誰もがスルー。
以下略



257: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:43:19.33 ID:s8phhYh5O

「凛にしては珍しかったわね」

放課後、スクールバッグに教科書やらノートやら詰めているところへ、あづさが苦笑気味に声をかけた。

以下略



258: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:44:18.97 ID:s8phhYh5O
「……まゆみの場合は人身事故で止まる中央線くらい日常茶飯事だもんね」

「あっはは、五限なんて起きてられるわけねーだろって!」

凛の拗ねたような皮肉に、ガサツな勢いで道破する本人。
以下略



259: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:44:46.49 ID:s8phhYh5O
「まァいいや、アタシ今日は部活が早上がりだからさ、どっか寄らね? 最近遊んでねーし」

五限を丸々使ってたっぷり寝たせいか、彼女は元気が余っているようだ。

「あー……行きたいのは山々なんだけど」
以下略



260: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:45:13.18 ID:s8phhYh5O
凛がCGプロへ行ったあの日から、ずっとレッスン漬けで、ほとんど遊べなくなっていた。

特に、休日ならともかく、放課後の予定を合わせることはまず無理だ。

「ごめんね、やることがたくさんあってさ」
以下略



261: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:45:44.21 ID:s8phhYh5O
「ふーん、そっか」

あづさもまゆみも他人へ必要以上に干渉しないので、それ以上訊いてくることはなかったが――

凛は、彼女達に少々の申し訳なさと、自分に対するむず痒さを禁じ得なかった。
以下略



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