過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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287: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:01:02.03 ID:s8phhYh5O
綿密な戦略が必要なのだと、Pは思い知らされた。

「それに、下手をすれば……急くあまり、お前の心を折ることになってしまうかも知れなかった」

すまないことをした、とPは目を伏せ、凛に詫びた。
以下略



288: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:09:37.09 ID:s8phhYh5O



・・・・・・

以下略



289: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:10:04.87 ID:s8phhYh5O
凛は鞄を一度置いて、形の良い人差し指を顎に添えながら思案に耽る。

「んー、最初さ、麗さんに見てもらったとき、存在を表現することが気に入ったんだよね」

アイドルの世界に踏み込もうと決心した、あの日のことだ。
以下略



290: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:10:32.72 ID:s8phhYh5O
その言葉を手帖に書き留め、

「なるほどな。それじゃあ、ステージに立つ方向で試しにやってみようか」

Pは、パタンと閉じてから、視線を向けて問うた。
以下略



291: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:11:01.70 ID:s8phhYh5O
そこへPは、一日かけて取りまとめた始末書を提出しに寄った。

失態を詫びるPに、社長は殊更追及することなく、静かに首肯するのみだった。

それは、Pが問題点を把握し改善の方向性を既に見出していることが、二人の様子から汲み取れたからだ。
以下略



292: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:11:32.09 ID:s8phhYh5O

いつものレッスンスタジオ、その防音扉を、Pは静かに開けて中へ入った。

凛の邪魔をしないよう、レッスン場の隣の部屋から、彼女を様子を見る。

以下略



293: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:12:02.06 ID:s8phhYh5O
凛は、同年代の女の子と比べて、かなり長身の部類に入る。

加えて、整った造形といい、芯のある声質といい、これなら相当にステージ映えするはずだ。

Pは、無理に笑顔を作らせるより、ビジュアルとパフォーマンスを絡めて展開した方がいいと確信に至った。
以下略



294: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:12:46.74 ID:s8phhYh5O
ここまでくれば、あとはどうやってステージデビューさせるかを考えれば良い。

光明は、徐々に徐々に、見えてきている。

ただし、デビューの方策こそが一番の難題でもあった。
以下略



295: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:14:02.03 ID:s8phhYh5O
手っ取り早く凛の要望を叶えるなら、明日にでも出来てしまうだろう。

それほどまでに、箱は都内には数多あるのだ。

だがそこで簡単にステージに立ったところで、持続できるかと云えば……答えはまずNOだ。
以下略



296: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:14:31.80 ID:s8phhYh5O
「とは云ってもなぁ……」

凛の様子を窺いながら、思案に耽る。

地下に対して厳しい見方をしたところで、しかし大嶋の助力を得られない現状では、
以下略



297: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:15:02.19 ID:s8phhYh5O
誰もが無名の状態から始まる。

そう、現在第一線で活躍するアイドル、例えば天海春香や如月千早でさえ。

彼女らだって、最初期は誰にも知られていない有象無象に過ぎなかったのだ。
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