過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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335: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:40:48.49 ID:s8phhYh5O
「ですが、身体の感覚の話で良いのなら……リズム感がまだ拙いかな、と思います」

そう。

凛自身は一定のテンポを保っているつもりなのだろうが、実際はかなりふらつきがあった。
以下略



336: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:41:16.51 ID:s8phhYh5O
「そうだな、P殿。ダンスに於いて最も重要なのは、ステップのテクニックなどではない」

麗は眼を閉じて「リズムを一定に維持すること、これに尽きる」と息を吐いた。

踊る表現力が幾分か稚拙であろうとも、歌が多少音痴であろうとも、拍子さえ安定していれば、鑑賞に堪える。
以下略



337: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:41:44.94 ID:s8phhYh5O
彼は現場を混乱させる可能性を危惧して、レッスンの内容に口を出すことはしなかった。

毎度、邪魔をしないよう隣から見守るのだ、凛はおろか明や慶までPの存在を認識していないかも知れない。

もちろんトレーニングの様子はしっかり見ているし、それを受けてプロデュース方針にこまめに手を入れている。
以下略



338: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:42:43.66 ID:s8phhYh5O
「P殿。老婆心から云うが……過干渉も、そして“不干渉”も好ましくないぞ」

「えっ?」

Pは驚いて一歩後退さる。
以下略



339: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:43:16.85 ID:s8phhYh5O
あくまで技術のレベルアップを要望しただけで、リズム感を鍛えてくれ、とは云っていない。

つまり、トレーナー陣はPの要求に忠実に動いているわけだ。

Pは、自分が云わずとも、凛の踊りの質を上げる為に、明たちが裁量でやってくれるだろうと思い込んでいた。
以下略



340: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:43:44.87 ID:s8phhYh5O
「まあこれは、妹たちからP殿に提案・進言する姿勢が欠如しているとも云える。あとできつく絞っておこう」

麗がメモを取ろうとする様子を、慌ててPが制止する。

「待ってください、おそらくその原因には心当たりがあります。彼女たちを責めないでください」
以下略



341: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:44:15.39 ID:s8phhYh5O
「慶ちゃん、真面目でいい子ですよね。勿論、明さんも」

スタジオ内を見やって、Pは自らの落ち度にやれやれと首を竦めた。

「凛の本番が一週間後に近づいているんですが……今から指導内容を変更して大丈夫でしょうか」
以下略



342: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:44:45.54 ID:s8phhYh5O
「だが貴方はそれが課題だと認識できているのだろう? 原因が判っているなら改善のために動くのは簡単だ」

Pの思考を見透かしたようなタイミングで麗が言葉を続けた。

訝しむPへ、麗は腕を組んで笑う。
以下略



343: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:45:44.77 ID:s8phhYh5O
「そう。スタジオレッスンとはまた別の機会で、P殿によるリズムトレーニングを追加するんだ」

「だって自分はトレーナーではありませんよ!?」

「何を云う。プロデューサーはアイドルを導く存在。多少のレッスン指導はするものだ」
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344: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:46:13.16 ID:s8phhYh5O
「P殿は……少なくとも渋谷君よりも、リズムの感覚は鍛えられている。それはさっきの仕種だけですぐ判る」

ダンスミュージックに乗って、自然と身体が動いていた件だ。

「私見だが……貴方は音楽に関して何らかの経験が既にあるんじゃないかな?」
以下略



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