367: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:04:59.53 ID:s8phhYh5O
「んなッ!? お前がアイドルゥゥう!?」
「ちょっ――声が大きいって!」
368: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:05:29.60 ID:s8phhYh5O
「ねえ凛、もしかして五月あたりから急に付き合いが悪くなったのって――」
「そう、アイドルになるためのレッスンがみっちりあったから……」
「んもう、それならそうと云ってくれればよかったのに」
369: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:05:59.89 ID:s8phhYh5O
「まだ駆け出しも駆け出し、新人ですらない状態だけどね。ようやくステージに立てるんだ」
「なるほどね、その追い込みなら確かに今週は遊んでるヒマないわね。じゃあ頑張ってきなさいな」
「うん、行ってくるよ。……って、あぁっ!」
370: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:06:35.49 ID:s8phhYh5O
「いいわよ。わたしたちが代わりにやっとくから、凛はさっさと行きなさい。時間が惜しいんでしょ」
「げぇっ! 『わたしたち』って、あたしもかよ!?」
あづさがひらひらと手を振って、助け舟を出した。
371: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:07:17.67 ID:s8phhYh5O
階段を抜け、玄関を抜け、校門を抜け、橋脚そびえる大通りへ。
夏至の近い、高く強く照り付ける陽を、モノレールが反射して輝く。
時折モーターと摩擦の音をまとわせながら滑ってゆくそれを横目に、凛はイヤホンをつけて駅までの道を駆けた。
372: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:07:49.01 ID:s8phhYh5O
今、凛のアイフォーンには、膨大なミニマルテクノが詰め込まれている。
否、ミニマルテクノ“しか”入っていないと云うべきだろう。
先日のリズムトレーニングの際、Pが膨大なミニマルテクノのCDを用意していた。
373:参考までに[sage !蒼_res]
2015/08/10(月) 05:21:42.91 ID:s8phhYh5O
Aril Brikha - On & On
https://www.youtube.com/watch?v=-4i7SiWpvmc
374: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:23:01.45 ID:s8phhYh5O
――
日曜。
375: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:23:40.64 ID:s8phhYh5O
企画者の特権とでも云おうか、凛はタイムテーブルのだいぶ美味しい部分にねじ込んである。
勿論、Pの呼び掛けに呼応したアイドルの中で、現状最も知名度のある子はトリへと配置。
流石に、新人に〆のステージをやらせるわけにはいかないのはPも凛も承知していた。
376: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:24:07.95 ID:s8phhYh5O
さあ、Pのできるお膳立てはした。
あとは、凛が、凛自身で、フロアにたむろする客の目と耳を掴まなければならない。
もう間もなく出番だ。
377: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:24:57.16 ID:s8phhYh5O
「ふふっ、……かもね?」
否定せず意地悪く笑う凛に、Pはこめかみを掻いてひとつ咳払いし、
「なんにせよ、今、煌やかなアイドルの衣装をまとうお前は、誰よりも輝いてる。自信を持っていい」
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