過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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384: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:28:47.97 ID:s8phhYh5O
「正直、これまで何に対しても“なあなあ”で済ませてきた凛がここまで打ち込んでるなら、近く大物になるわ」

「かもな。原石って、思いもしねえほどあたしの近くに転がってたんだなぁ」

「あわよくばわたしたちも?」
以下略



385: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:29:21.22 ID:s8phhYh5O
撮影を終えた凛が、Pを伴ってやって来た。

「二人とも、来てくれたんだ」

「ええ、そりゃ貰ったチケットを無駄にするわけにはいかないもの」
以下略



386: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:29:55.77 ID:s8phhYh5O
「ああ。なんか気恥ずかしいけどよ、カッコよかった。お前のファンになったぜ」

「わたしもよ。そこそこ長い付き合いだと思ってるけど、初めて凛に燃えさせられた。れっきとしたファンね」

「そこまで云ってくれると光栄だね。君たちは凛のファン第二号と第三号だよ」
以下略



387: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:30:33.37 ID:s8phhYh5O

帰路に就く友人らと別れ、凛とPは飯田橋の街を事務所まで歩く。

凛は表向き無感情な顔をしていたが、その内心は昂りを禁じ得なかった。

以下略



388: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:30:59.78 ID:s8phhYh5O
凛は、かつて経験したことのない未知の充足感に包まれている。

ついこの間までただの一般人だった不器用な女の子。

そんな凛が自分とは無関係だと思っていた場所へ、境界の向こう側へ足を踏み入れた実感。
以下略



389: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:31:34.48 ID:s8phhYh5O
いや、正確には、知らない“フリ”をして、直視しようとしなかっただけかも知れない。

「あの刻、渋谷で“不審者”に声を掛けられなかったら――きっと耳を塞いで回れ右していたんだと思う」

在りし日に思いを馳せる。社長とPにスカウトされた日を、昨日のことのように記憶している。
以下略



390: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:32:04.59 ID:s8phhYh5O
凛の注意虚しく、事務所へ続く階段にPはつま先をぶつけた。

「あーあ、云わんこっちゃない」

足を押さえてうずくまるPへ呆れて語り、それを横目で見ながら凛は軽やかに駆け上る。
以下略



391: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:32:30.65 ID:s8phhYh5O
そこには、CGプロの全員が集合していた。

「凛。本格デビュー、おめでとう」

凛に遅れること少々、立て付けの悪い扉を閉めたPが云うと同時に、それぞれが手にしたクラッカーを鳴らす。
以下略



392: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:34:10.50 ID:s8phhYh5O



・・・・・・・・・・・・

以下略



393: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:35:08.59 ID:s8phhYh5O
ノウハウを共有したことで卯月や未央も凛同様にステージデビューし、めきめき力をつけている。

三人は、抜きつ抜かれつ、追い付け追い越せと切磋琢磨し合っていた。

CGプロも、『金食い虫』だった凛が金を少しずつ稼ぐ存在に変わってきたことで、
以下略



394: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:35:40.61 ID:s8phhYh5O
そんな夏本番が迫った日、銅が地方の営業先で行なった紹介が、ローカル局から本局へつながった。

ライブの評判を聞きつけたフジツボテレビの担当者が、ライブフェスティバルへの参加を打診してきたのだ。

なんでも、八月末に臨海副都心で二日間開催されるサマーライブフェスに大幅な欠員が生じてしまったらしい。
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