過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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623: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:17:01.84 ID:3+pD+bLQo
――なぜ麻布十番なのか?

それは単純に『以前の拠点だった飯田橋と行き来しやすい』と云うだけの理由だった。

完全に移行が済むまでは旧事務所と新社屋それぞれに用事があるだろうし、
以下略



624: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:17:36.19 ID:3+pD+bLQo
「はえーすっごい」

未央が新社屋を見て、無思考の感想を垂れ流した。

未央だけではない。この場に来ているアイドル、そしてプロデューサー陣全員が同じ様相をしている。
以下略



625: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:18:01.86 ID:3+pD+bLQo
エステルーム、カフェテラス、サウナルームが完備され、トレーニングルームも順次増築すると云う。

きっと、アイドルたちは伸びやかに自らを磨くことができるだろう。

業界の巨人、961にも見劣りしない規模のプロダクション社屋だった。
以下略



626: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:18:32.27 ID:3+pD+bLQo
このスケールの設備を揃えようとするなら、かなり大きな元手が必要だ。

取引金融機関からの借入額も相当なものだろうし、そもそもその規模の稟議を銀行が易々と通すはずがない。

80年代後半ならいざ知らず、今は景況芳しくない世界同時不況の時代なのである。
以下略



627: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:19:02.38 ID:3+pD+bLQo
この規模のビル一棟売りであれば、最低でも数億、場合によっては二桁億円は下らないはずだ。

しかも笹塚にも女子寮としてもうひとつ不動産を買っているのである。

港区の一等地よりは幾分かましであろうとは云え、それだって億を割り込むとは考え難い。
以下略



628: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:19:31.91 ID:3+pD+bLQo

気を取り直して、入口の自動ドアをくぐり、改装したてで塗料などの匂いが残る建物内を練り歩く。

「大きくなるから、社員を増やしてこれまでプロデューサー諸君に任せていた諸業務を分散させるようにするよ」

以下略



629: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:20:01.65 ID:3+pD+bLQo
今はやや大き過ぎるようにも思える社屋でも、じきにちょうどよい容量となるくらい会社を成長させたい。

現在持つリソースなら建物の四階までで充分埋まるが、眠らせている上層階を稼働させられるようになりたい。

そしてそれはきっと、そう遠からず可能だろうという展望。
以下略



630: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:20:46.30 ID:3+pD+bLQo
「プロデューサーとアイドル諸君には、このエリア――制作部に籍を置いてもらうよ」

社長はそう云って、磨りガラスでできた扉を開けた。

青いOAフロアが隅々まで敷かれた、現時点では何もない、がらんどうなだだっ広い空間が目に入る。
以下略



631: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:21:19.10 ID:3+pD+bLQo
その後、レッスン室や福利厚生施設を見学してテンションの上がるアイドルたちを見て、相好を崩す。

「年度明けには麗も合流してくれるし、バックアップ体制はより充実できるだろう」

何度も頷いてから、Pたちの方を振り返った。
以下略



632: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:22:00.41 ID:3+pD+bLQo


――

寒風吹き荒び、冬が本番の力を発揮している十二月中旬。
以下略



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