667: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:41:32.72 ID:3+pD+bLQo
「お待ちください。アイドルは決して性奴隷ではございません。それはここにいる渋谷凛さんをはじめ、
幾多関わる物たちを最大級に侮蔑する発言です。その言葉だけはご撤回頂かないと、承服致しかねます」
「たとえ性奴隷でなくとも欲望に塗れたくだらない産業であることに変わりないでしょう!」
668: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:42:13.26 ID:3+pD+bLQo
Pは再度教諭へ向き直って、顎を引いた。
「しかしこちらの渋谷凛さんは既に芸能人であり、いづれこうなるだろうことは予見されて然るべきでした。
見通しの甘さは、ひとえに我々CGプロダクションの責です」
669: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:42:44.35 ID:3+pD+bLQo
Pは凛をかばうように立ち、懐から写真を複数枚取り出して教諭に渡した。
「先生はくだらないと仰りますが、彼女は多くの人々を笑顔にしてきました」
サマーフェスでの、凛のステージとその観客を写したものだった。
670: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:43:12.50 ID:3+pD+bLQo
「自らの知見の及ばない範囲を、くだらないという一言で片付けてしまうことこそ、くだらないと思いませんか。
自らの知見の狭さを、渋谷凛という一個人に全て被せて、顔を背けているだけの状態を、
果たして教育者として胸を張れますか」
「論点のすり替えはやめなさい! 現にそこの渋谷凛がアイドルなどと云うくだらないものとなったがために、
671: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:43:40.91 ID:3+pD+bLQo
凛の力一杯の叫びで、場は一切の静寂に包まれた。
誰も動かない。いや、動けない。
「ごめん、プロデューサー。ありがとう。嬉しかった」
672: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:44:18.80 ID:3+pD+bLQo
「……うん。元々そう云う話はぼちぼち出てたし、ほぼ自分の中では意思を固めてたんだ」
このまま私がここにいたら、まゆみやあづさに迷惑がかかっちゃうから。
凛は力なく笑って、小さく、そう呟いた。
673: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:44:44.63 ID:3+pD+bLQo
「いや……今回のことって、結局は素行のよくないあたしのせいなんだろ?」
まゆみの“所為”では決してないが、まゆみを出汁に使われたのは事実だ。
「これ、あたしが身を退いた方がいいんじゃね? その方が色々ラクなんじゃね?」
674: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:45:11.22 ID:3+pD+bLQo
「まゆみとあづさとは長い付き合いだもん。友達でなくなるなんて、絶対厭だ」
二人を守るために。
かけがえのない友人たちを守るために、越堀へ移る。
675: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:45:39.22 ID:3+pD+bLQo
幸い越堀の芸能科に欠員があったので、編入試験を経れば三学期から問題なく通えるだろう。
ごたごたを収束させる決断を下し、
Pと凛そして凛の両親は、巻き込まれた二人とその両親に、迷惑を掛けたことを謝罪した。
676: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:46:22.12 ID:3+pD+bLQo
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