過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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792: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 22:07:39.46 ID:3+pD+bLQo
「……駄目だ。もう一回、お風呂に行こうかな」

横になっている同室の卯月と未央を見やってから溜息を吐いて、独り、部屋を出る。

紫色の絨毯が敷かれた廊下を暖かな橙色の光が照らし、
以下略



793: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 22:08:06.10 ID:3+pD+bLQo
「あれ……」

いきなり目の前で大人アイドル二人が酒盛り中だった。

温泉の露天風呂で、燗酒を傾ける――これは模範的な、駄目な大人の姿だ。
以下略



794: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 22:08:34.41 ID:3+pD+bLQo
凛は邪魔しないよう、少し離れたところで湯浴みを味わう。

穏やかで、静かで、悪くない湯だった。

空を眺めると、満月が輝いていて、視界の端には色づく樹々も入る。
以下略



795: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 22:09:02.03 ID:3+pD+bLQo
「たぶん、プロデューサーはこれを狙って旅行を組んでくれたんだよね」

ぽつり、空を見ながら、たまにはいいよね、と独り言つ。

こうやって先回りして何かを用意してくれるのが嬉しい。
以下略



796: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 22:09:30.93 ID:3+pD+bLQo
「あ、空になっちゃいましたね。お酒がなくなるのは避けられない……ふふふ」

隣から不穏な台詞が聞こえてきた。

ここで冒頭の、楓の要求である。
以下略



797: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 22:09:58.54 ID:3+pD+bLQo
対して、瑞樹はあっさりと、あっけらかんと返す。

「大丈夫よ。楓ちゃん、こう見えて締めるところはきちんと締めるもの。
 明日に影響が出るくらいまでは飲まないわ」

以下略



798: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 22:10:36.36 ID:3+pD+bLQo
凛は、水面―みなも―に映り込んで揺れる月を見ながら、胸にすとんと何かが落ちる感覚を憶えた。

「……そっか。私、ようやく判った」

フェスのとき、凛は、仲間のため卯月のためを思ってやったと思っていた。
以下略



799: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 22:11:04.86 ID:3+pD+bLQo
独りで走っているつもりだったが、それは誤りだった。

きっと、皆がいるから輝けるのだ。

仲間がいるから、走れるのだ。
以下略



800: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 22:11:31.61 ID:3+pD+bLQo
「あ、凛ちゃん!」

ガチャリと音を立てて、内湯から露天に続く扉が開いた。

顔を出したのは卯月と未央。
以下略



801: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 22:12:01.99 ID:3+pD+bLQo
「ねえ、未央、卯月」

凛が不敵に笑んだ。

「明日、ぶちかますよ。私たちならできるから。きっと……絶対ね」
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