39:乾杯 ◆ziwzYr641k[sage saga]
2015/08/21(金) 23:02:46.75 ID:XKRiySpR0
断られたことに気を悪くした様子もなく再び食事に集中する男。
何故御大はこの少女に酌をさせようとしないのかといった文句なし、気配なし。
やがて、男が三度の酌をしようと徳利に手を伸ばそうとしたところで、老公がそれを寄越すよう手振りで示した。
「儂だけでは飲みきれそうにない、貴様もちと手伝え」
「これは、恐れ入ります」
男が中央に重なっていた杯を一つ両手に持ち直した。
やや乱暴に注がれた返杯を姿勢よく胸元に引き寄せ、こぼれぬよう慎重に口をつけた。
「うん、こいつは飲みやすい」
「響は、今日はいいのか?」
「え? ……あ、えと」
「あれ? お酒、飲まれるんですか」
「いや、その、嗜む程度で」
「見かけによらず、たいした酒豪っぷりだぞ。並の男じゃ太刀打ちできん」にやりと笑う老公。
「へええ。そりゃあすごい」
感心したようにうなずく男に、顔がかっと熱くなった。
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