4:乾杯 ◆ziwzYr641k[saga]
2015/08/11(火) 22:09:17.36 ID:wqQE0kJT0
『深海棲艦(しんかいせいかん)』。
生き物と無機物を掛け合わせたような異様さ。
その造形がどこか船に似ていることからつけられた呼称。
海には何物も浮かばせぬとばかりに片っ端から船を沈め、人をも食らう化け物たち。
その猛威は止まるところを知らず、遠洋のみならず近海での出没が確認されるようになる。
細切れにされたシーライン。同盟国間の連携。
太平洋、インド洋、大西洋、地中海、北極海――もはや安全な海域は存在せず。
多くの漁師――廃業を余儀なくされる。観光業の衰退――白い砂浜から海水浴客とゴミが消え失せる。
拡大していく被害――世界の最先端を行くと自負する某国の試み。
開発中の航空機を軸としたエアラインの新規開拓に乗り出す。一年を待たずに頓挫する。
離島への食糧支援のために飛ばした輸送機が、小型の未確認飛行物体によって相次いで撃墜されたがため。
敵の行動範囲は海のみならず空にまで及んでいた。
敵艦載機の性能――護衛戦闘機をものともしない取り回しと火力。
傷つけられるや我が身を惜しまず相手の動力部目掛けて突っ込んでいく攻撃姿勢。
機動性、耐久力、数量のいずれを比べても太刀打ちできず。
先進各国の動き。新武器の開発に一縷の望みを見出すも、費用の捻出が叶わず設計図の大半は眠ったままに。
滞る物資の輸送、生産能力の低下、経済の低迷に伴い、衰退の一途を辿る枢軸国。
各々が事態の打開を目指すも満足な成果は上げられず。居住区域――海岸線から遠ざかるばかり。
さらなる追い打ち――内陸部へ追いやられた人間たちを嘲笑うかのように空襲が始まる。
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