過去ログ - 仮面ライダーぼっち&ぼっちライダーディケイド(完結編)  
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213:くすっち天頂@公認ぼっち党員 ◆A9VvCAXQOewN[saga]
2015/09/29(火) 13:03:57.16 ID:AuVSUEXb0
俺と彼女は、お互いのことをよく知らなかった。

何を持って知ると言うべきか、わかっていなかったかもしれない。

ただお互いのあり方を見るだけでよかったというのに。

大切なものは目には見えない。

つい、目をそらしてしまうから。

俺達は半年近い時間をかけて、やっと互いを知ったのだ。

そして、そして俺は、彼女のことが……

「やっはろー!」

そこに、聞き慣れた明るい声が届いた。

「由比ヶ浜?なんのようだ?」

「文化祭お疲れ!というわけで、後夜祭に行こう!」

「いかねーよ」

「行かないわ」

「え〜〜!?せっかくなんだから行こうよ〜!」

「冗談じゃねぇよ。俺なんてその他大勢からすれば来てほしくねぇ奴ナンバーワンだろ」

「その他大勢って……誰かあなたを待ってくれてる人がいるとでも思っているのかしら」

「ばっかお前……たくさんいるよ!戸塚とか戸塚とか戸塚とか、後戸塚とか」

「一名しか該当者がいないと思うのだけど……」

「あっ、でもさいちゃんは用事で行けないって言ってたよ」

「はぁ?ならもう俺が行く意味0じゃねぇか」

「で、でも思い出になるし!」

「ああれな、思い出って書いてトラウマって読む奴な」

「そうね、やはりわたし達にはいくメリットがあるとは思えないわ」

「うぅ……ゆきのんまで……。あっ!ならさ、私達3人だけでどっかいこうよ!奉仕部の打ち

上げとして!」

「そうね……でも、比企谷君もいるのよね……」

ちょっと雪ノ下さん?俺に対する扱いがひどすぎませんか?

「ゆきのん、お願い!」

言って由比ヶ浜はいつものように雪ノ下に抱きつく。

「しょ、しょうがないわね……。わかったわ、わかったから離れてちょうだい」

出た―!ちょろノ下ちょろ乃!

「やったー!ゆきのん大好き!じゃぁ決定ね!」

「あ、あれ……?俺の意思は?」

「そんなものあるはずがないでしょう?」

「そうだよ!ハニト―奢ってあげたでしょ!」

ま、確かに約束したな。なら仕方ねぇか……。

「わーったよ、ったくしょうがねぇな」

部室には美しい夕日が差しこんできている。

祭は終わり、後の祭り。

人生はいつだって取り返しがつかない。

こんな一幕だって、いずれは失うのかもしれない。

だが、本物の絆があれば、俺達は、いつまでも……。



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