過去ログ - 仮面ライダーぼっち&ぼっちライダーディケイド(完結編)  
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220:くすっち天頂@公認ぼっち党員 ◆A9VvCAXQOewN[saga]
2015/09/29(火) 13:08:11.24 ID:AuVSUEXb0
そしてそれに、身も凍るような声が続いた。

「帰りなさい」

言わずもがな、雪ノ下雪乃だ。

「……え?」

戸部が驚いたような声を上げる。

「礼儀も知らない、礼節もわきまえない、つるむしか能がないような低能どもの頼みを聞いて

やる必要なんてないわ」

「な、そこまで言わなくても」

そう言った戸部の言葉を雪ノ下がさえぎる。

「ねぇ、忘れてない?私達は、敵なのよ?それを抜きにしても、私はあなたたちみたいな人間

が大嫌いなの。今すぐここから出て行きなさい」

カードデッキを取り出してそう言った。

それは、これ以上にない意思表示だ。

由比ヶ浜も雪ノ下の隣に立ち並ぶ。

ライダーの数はこちらが三であちらは二。不意打ちやらなんやらの卑怯な手段でしか戦ってこ

なかったこいつらがその勝負を受けるとは思えない。

「まぁ、待ってくれ。俺達もなにもタダでやってもらおうなんて考えてない」

場を取りなすように葉山が言った。

そんな葉山を雪ノ下は冷たい目で見つめる。

「この依頼を受けてもらえるんなら、インペラ―のカードデッキをそちらに譲渡する」

「……」

俺は少なからず驚いた。カードデッキの破棄、つまりそれはライダーバトルからの退場を意味

する。

「契約モンスターはこちらで処理するが、君達にとってもライダーが一人減るんだ。悪い話じ

ゃないと思う」

「そんな話を信じるとでも?」

「だから、担保としてこれを預ける。……大和」

「ああ。……これを」

大和が雪ノ下に手渡したのは仮面ライダータイガのカードデッキだった。

こんな猿芝居打つ意味あんのか……?こっちはその本来の持ち主が葉山であることは確信して

いる。

「これでどうかな?もし俺達が約束を破っても結局ライダーは一人減る。信用して、もらえな

いか?」

「……あなた達の言い分はわかったわ。でもそれとは別に、私は単に、あなた達の様な人の

依頼を受けたくはない。奉仕部は、便利屋じゃないの」

その声音はどこまでも冷たい。

嫌悪感が溢れ出ている。

「……頼むっ!どうしても、失敗するわけにはいかないんだっ!」

それまでとは打って変わった真剣な表情で戸部がいい、頭を深く下げた。

「……話聞くぐらいなら、いいんじゃねぇの」

別にこいつの態度に心打たれたとかじゃない。

だが、殺さずにライダーが減るというのは、逃したくない取引だった。

雪ノ下は、いまだ小川絵里の意識を取り戻すことを諦めていない。



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