過去ログ - 仮面ライダーぼっち&ぼっちライダーディケイド(完結編)
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くすっち天頂@公認ぼっち党員
◆A9VvCAXQOewN
[saga]
2015/09/29(火) 13:53:10.03 ID:AuVSUEXb0
ただそれだけで、生徒達はパタリと雑談をやめた。
「……まず、私はお礼が言いたいです。
今こうしてここに立っているのは、私の大切な人達のおかげだから。
私は、人とのかかわりを軽んじ、鬱陶しく思っていました。
そんなことから私が得られるものは何もない、と。
だけどそれは、大きな間違いでした。リスクも何も顧みず、いつも私の味方で居てくれた人、
周囲からどれだけ嫌われようと自分の信念を貫き通す人、自分の立場など考えず、私達の傍に
いてくれた人……
そんな素敵な人達とのかかわりの中で、私の考えは変わりました」
雪ノ下……。
「私はそんな人たちが、すごしやすい環境を作りたい。周囲に合わせる者達が集団で力を持つ、
そうではなく、正しい道を歩む人が後ろ指を指されない、そんな当たり前で正しい場所を。
だから……」
一呼吸おいて、彼女は告げる。
「人ごと変えて見せます、この世界を」
この上なく美しい笑顔で、彼女はそう言ってのけた。
他の誰かが言ったならば、それは笑われてしかるべきセリフだったのだろう。
だが、それをバカにできる者は誰もいなかった。
彼女ならば、それができるかもしれない、その場にいる者全員がそう思ったのである。
彼女はもう一度笑顔を浮かべて礼をすると、悠然と壇上を下りた。
誰からともなく拍手が沸き起こる。
そしてその音はどんどん大きくなっていく。
「おつかれさん」
奉仕部部室で、俺は雪ノ下に声をかけた。
「あら、比企谷君。今日も来てしまったのね」
「何?俺が来たら何か問題でもあるの?」
「よくわかったわね、その通りよ」
「そんなことより、ゆきのんのスピーチすごかったよね!」
「その後のお前の演説は目も当てられなかったがな」
「あぅ……」
雪ノ下の完璧な演説の後に壇上に立った彼女は、右手と右足が出るほどの緊張ぶりで、生徒達
の笑いを買っていた。
しかしそれは、悪意が込められたものではなく、子供が歩くのを見るような暖かいものだった。
「だって、友達のことだから、ちゃんとしたいって思うじゃん……自分のことだったら失敗し
てもいいけどさ……」
まぁ、その結果大失敗したんですけどね。
「あ、ヒッキー失礼なこと考えてるでしょ!」
「失礼っていうか、事実だな。その結果お前がミスった、っていう」
「あぅぅ……」
「まぁ、大丈夫だろ」
「そうよ、確かに由比ヶ浜さんの演説はひどかったけど……」
「ゆ、ゆきのぉん……ごめんなさい」
「でも、私は好きだったわ」
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