1:名無しNIPPER
2015/08/15(土) 23:33:57.12 ID:Q9RwVuPUO
僕には両親はいない。
父は十数年前から続く隣国との大戦に駆り出された。
母は流行り病にかかり父が戦地に行ったちょうど1年後に他界した。
母が死んでしばらくすると大戦は終戦に向かっていった。それから1年と少し経ったが父が家に帰って来ることは無く、おそらく戦死したのだろう。
異世界暦427年。命芽吹く春。
僕は14歳にして、所謂天涯孤独ってやつになってしまったのだ。
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:名無しNIPPER[saga]
2015/08/15(土) 23:36:25.98 ID:Q9RwVuPUO
母が死んで1年と少しした頃、一人で生きるにはこの異世界は過酷すぎる。そう思った僕は近所の家に置いて貰うことにした。だが、馬鹿みたいに戦争を繰り返す我らが王国に生まれてきたのが運の尽きだったのだろう。
僕の村の男連中はうちだけに限らず、戦争から帰って来ることは無かったので、そうなれば必然的に働く者は女子供になり、村の生産力は落ちていくばかりだ。高い税金も相まって、村は食うことにすら困り始めていた。
さらには、太古から存在する魔物の襲撃により村の数少ない男手も徐々に削られていった。
だから、それは起こるべくして起きたのだろう。
異世界暦428年。
3:名無しNIPPER[saga]
2015/08/15(土) 23:58:03.40 ID:Q9RwVuPUO
村を出てしばらく。
街道を歩いていた僕は夜営中の商人、その商人に雇われている4人の傭兵達と出会った。
その商人は王とに帰る途中だそうで、僕は事情を説明して同行してもいいかたずねた。
正直ダメもとではあったが、その商人は僕の同行を快く引き受けてくる、温かいスープと米粉で出来たパンをご馳走してくれた。食事中は傭兵達が僕を励ましてくれた。
「もう大丈夫」とか「死んだ人の分まで頑張るんだ」とか。
4:名無しNIPPER
2015/08/16(日) 00:12:48.61 ID:c51rjssBO
突然の事態に傭兵達が叫びながら剣を抜く。僕はと言えばただ見ているだけだった。
商人の首が廻り、捻れて、千切れるのを。
傭兵達の罵声が耳に煩い。
何が商人の首をもぎ取ったのか。
答えは簡単だ。
5:名無しNIPPER
2015/08/16(日) 00:31:56.10 ID:c51rjssBO
それからはあっという間だった。
夜営地には4つの人だったモノが転がり残るは僕と傭兵一人。
彼は僕を庇いながら魔物と戦った。だが相手の動きが速すぎる。
今、彼だったモノは僕の足元にある。
という事は、だ。猿にでもわかることだが、次は僕ということになる。
6:>>5の訂正[saga]
2015/08/16(日) 00:33:57.76 ID:c51rjssBO
それからはあっという間だった。・
夜営地には4つの人だったモノが転がり残るは僕と傭兵一人。・
彼は僕を庇いながら魔物と戦った。だが相手の動きが速すぎる。・
今、彼だったモノは僕の足元にある。・
という事は、だ。猿にでもわかることだが、次は僕ということになる。・
7:名無しNIPPER[saga]
2015/08/16(日) 00:37:55.38 ID:c51rjssBO
この世界に、魔王はいても勇者はいない……
To be continue……
8:名無しNIPPER[sage]
2015/08/16(日) 00:39:59.45 ID:c51rjssBO
一応これで終い。
こんな短い駄文に付き合っていただき有り難う御座いました
8Res/4.95 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。