過去ログ - 卯月「プロデューサーさんの、本当の幸せを」
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10: ◆8g8ZKJa8Ps[saga]
2015/08/24(月) 01:42:29.19 ID:20TbIrfu0
 そんなわけがありません。あるわけがありません。留美さんがネクタイピンを取って、きっちり結ばれたネクタイをほどいて、シャツのボタンを外して、まだ誰も見たことのないプロデューサーさんの首筋にキスするなんて、あるわけがないじゃないですか。だってあのプロデューサーさんですよ。どんなアピールも笑顔でさらっと流して、困ったような目ではぐらかして、どうやっても応えてくれないあの人が、あの人が、アイドルとそんなことをするわけがないんです。絶対に。絶対に。絶対に――!

幸子
「……あ」

 おっといけません、ボクとしたことが。ネクタイピンを握りすぎて血が出ていました。急いでハンカチでネクタイピンを包んで、手のひらに滲んだ血をぬぐいます。傷は大したことはありません。ただじくじくと痛むだけです。ええ、平気です。本当に。こんなの。へっちゃらです。

 あの人が、まるで恋人のように光ちゃんと手を繋いだあの瞬間の――肺が潰れるような、痛みに比べれば。

 ――でも、そうですね。仕方ありませんよね。男の人はシャイっていうじゃないですか。だからボクが、こんなにカワイイこのボクが、プロデューサーさんとまだ手を繋いだことさえないっていうのは、つまりそういうことなんですよ。つまりプロデューサーさんの本命はボクなんです。プロデューサーさんが一番好きなのはボクなんです。プロデューサーさんが誰よりも愛しているのはボクなんです。ただそのことをプロデューサーさんは気付いてないだけなんです。本当に仕方ない人ですねっ!


「……プロデューサーさんにとって、一番カワイイのは誰か。思い知らせてあげますから」



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