20: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/08/28(金) 07:58:59.08 ID:eEhKDdlx0
 家へ帰る頃には、夕方になっていた。 
 親も帰ってきており、夕飯の支度をしていた。 
  
 「どこ行ってたの? 台風の日に」 
  
21: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/08/28(金) 08:11:40.71 ID:eEhKDdlx0
 洗濯物を畳みつつ、鍋をかき混ぜながら、テレビを見ていて、 
 私はふと違和感を感じた。 
 いつもなら、この時間はだいたい携帯をいじっていて、 
 部屋に閉じこもっているはずなのだけれど。 
 どうして、こんなにせっせと家の手伝いをしているのか。 
22: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/08/28(金) 08:17:59.63 ID:eEhKDdlx0
 という結果に至ったのだが、心苦しくなってきて、ひかりちゃんに電話してみた。 
 繋がらなかった。 
 不安。 
 焦り。 
 どうしてこうなったのか。 
23: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/08/28(金) 08:25:22.57 ID:eEhKDdlx0
 公園の入り口にできた水たまりを避けると、 
 自転車が滑りそうになったので、 
 急いでブレーキをかけて着地した。 
 案外と大きな音がした。 
  
24: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/08/28(金) 08:34:27.45 ID:eEhKDdlx0
 彼女はキョトンとしていた。 
 私もたぶん同じような顔をしていただろう。 
 何から言おうか。 
  
 「あの、なんで……」 
25: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/08/28(金) 08:39:47.49 ID:eEhKDdlx0
 横目で荷物を見やる。 
 けっこう入ってそうだ。 
 彼女は頷いて、 
  
 「そのまま一緒に行こうと思ってたので……持ってきてます」 
26: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/08/28(金) 08:54:10.78 ID:eEhKDdlx0
 彼女を自転車の後ろに乗せて、 
 荷物をカゴに乗っけた。 
  
 「滑ったらごめん」 
  
27: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/08/28(金) 11:18:16.00 ID:eEhKDdlx0
 「ただいま」 
  
 と、リビングに入ると母はちょうどお皿に鍋をよそっている所だった。 
 父も帰ってきており、すでに椅子に座り缶ビールを開けていた。 
 スーツを脱いで、完全に普段着で私たちが入ってきた瞬間ビールを吹き出しそうになっていた。 
28: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/08/28(金) 11:31:12.62 ID:eEhKDdlx0
 「ひかりちゃんも、しずかも手を洗ってきて。ご飯にしましょう。あ、ひかりちゃんは食べてきた?」 
  
 「ううん。まだだよ。こっち、ひかりちゃん」 
  
 「はい」 
29: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/08/28(金) 11:41:18.35 ID:eEhKDdlx0
 「ひかりちゃんは、マンゴーとか食べる? お隣からもらったんだけど」 
  
 「食べれます。好きです」 
  
 席に着くと、一口大に切られたマンゴーが大皿にたくさん乗っていた。 
30: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/08/28(金) 11:50:22.78 ID:eEhKDdlx0
 父が自室に引っ込み、 
 母は夜の散歩にでかけた頃。 
 ひかりちゃんも少し眠そうにしていた。 
  
 「お風呂入れるよ?」 
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