過去ログ - 勇者「やあ、ちょっと邪魔するよ」ガチャッ 女魔王「ええ、どうぞ。くつろいでいって」
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20:名無しNIPPER[saga]
2015/08/27(木) 18:25:57.04 ID:9DQ2zMcno
勇者「君のお兄さんは、その点、立派だったよ。多分、奪った命は僕より多いのに、感覚が麻痺なんかしてなかった」

魔王「嫌味にしか聞こえないわね。もし、そうでないとしたら、あなたの方が狂ってるわ」

勇者「君がそう感じるのなら、そうかもしれない。……実を言うと、僕の仲間がついさっき全員死んだんだ。ここにたどり着くまでに一人、この城の中で一人、君のお兄さんによって三人。そして、そのお兄さんは僕が殺した」
以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2015/08/27(木) 18:31:02.88 ID:9DQ2zMcno
勇者「君はそう言ってくれるけど、でもやっぱり僕には正義なんかどこにもないんだ」

魔王「なら、私を見逃してくれるの? 無理なんでしょ?」

勇者「本音を言えば君を殺したくない。でも、君を殺さないと連合国の王たちは納得しない。君が死んで初めて魔王軍は潰滅した事になる。だから、殺さなきゃいけない。こんなのは間違っているとわかっていたとしても」
以下略



22:名無しNIPPER[saga]
2015/08/27(木) 18:36:19.62 ID:9DQ2zMcno
魔王「私は魔王で、あなたは勇者。元から相容れない存在なのよ。私を見逃せば、あなたは勇者でも人間でもないわ。人の形をした別の何かよ」

勇者「君をかばう事が僕には出来ない。そして、世界は君を赦さない。僕は世界を救う人間のくせして、目の前の一人の女の子を救う事も出来ない」

魔王「泣かないで。そういうものよ。私を救うなら、世界を諦めてとしか、私には言えないもの。古き契約によって、私の中に流れる魔王の血は異世界から永遠に新たな魔物を勝手に召喚し続ける。止めようがないのは、私も同じなの。あなたが世界を救おうと望むなら、私を殺すしかないわ」
以下略



23:名無しNIPPER[saga]
2015/08/27(木) 18:39:45.55 ID:9DQ2zMcno
勇者「……ここの部屋は本当にセンスがいいと思うよ。死ぬなら僕はこんな部屋で死にたい」

魔王「私もそう思ったわ。だから、ここに来たの」

勇者「酒はもう飲み終わったかい?」
以下略



24:名無しNIPPER[saga]
2015/08/27(木) 18:40:52.08 ID:9DQ2zMcno


「生まれ変わったら、今度は一緒に飲みましょ」


以下略



25:名無しNIPPER[saga]
2015/08/27(木) 18:43:49.35 ID:9DQ2zMcno
(静かな剣音)

(小さな悲鳴)

(血が滴る音)
以下略



26:名無しNIPPER[saga]
2015/08/27(木) 18:45:35.17 ID:9DQ2zMcno


「…………」


以下略



27:名無しNIPPER[saga]
2015/08/27(木) 18:49:13.59 ID:9DQ2zMcno
【後日 とある国の王宮】


神官「……天にまします我らが神よ。魔王を倒し、この世界を救ってくれた勇者にどうか安らかな眠りを与えたまえ……」

以下略



28:名無しNIPPER[saga]
2015/08/27(木) 18:51:01.73 ID:9DQ2zMcno
【城下】


カラーンコローン (教会の鐘の音)

以下略



29:名無しNIPPER[saga]
2015/08/27(木) 18:54:17.50 ID:9DQ2zMcno
子供「ねぇ、お父さん。勇者様は世界を救ってくれたんだよね?」

父親「ああ、そうだ。素晴らしい勇者様だった」

子供「じゃあ、何で今日はみんな、こんな悲しそうにしてるの? 魔王をやっつけたって聞いた時は、あんなに嬉しそうにしてたのに」
以下略



30:名無しNIPPER[saga]
2015/08/27(木) 18:57:35.25 ID:9DQ2zMcno
【勇者の生まれ故郷】


兵士A「瓦礫の山か……酷いもんだな」

以下略



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