1:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/07(月) 00:10:07.89 ID:rVNZ4GiQo
真夜中だった。
どこからか、声が聞こえる。
切羽詰まったような、まるで泣く寸前のような、そんな女の子の声だった。
「待っててね」
声の主は私の手を握っている。
私は眠りに落ちていて、目を開けてその子の顔を見ることができない。
けれどその温もり、その声はとても懐かしくて、私の心を安らかに落ち着かせるものだった。
これは夢?
あなたは誰?
こんな真夜中に勝手に部屋に入ってきて、私の手を取って話しかけている、あなたは一体誰ですの?
「すぐに、向日葵の所にいくからね」
手から温もりが消える。
部屋は静寂を取り戻し、人の気配は消えた。
私の手は、少しだけ濡れていた。
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