過去ログ - 「Close to …side.Y」(オリジナルSS)
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47:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/19(土) 22:52:44.43 ID:t+SnPtR2o
 いつものように二人分のお弁当を用意して、一橋くんの家の前へ着いたのは七時十四分だった。
 私が彼を待つべき場所に、小さな女の子の姿があった。
 この頃めっきり見なくなったのでほとんど忘れかけていたが、それが奈那だとわかった。

「……なにしてるの? 貴方」
以下略



48:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/19(土) 22:53:15.59 ID:t+SnPtR2o
 私はそう言いつつも、一橋くんが嫌がっている。そんなことは――と、喉から胸元までが冷たくなる感覚がした。

「やめてほしいって、言ってました」

「嘘、一橋くんはそんなこと言わない」
以下略



49:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/19(土) 22:54:05.69 ID:t+SnPtR2o
 思わず、奈那の肩に掴みかかりそうになる。
 すんでのところで止まったのは、玄関のドアから一橋くんが出てきたからだった。

「あっ、一橋くん……おはよう」

以下略



50:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/19(土) 22:55:18.49 ID:t+SnPtR2o
 ――――

「あの、一橋くん……」

 放課のチャイムが鳴ってから、恐る恐る近づいた。
以下略



51:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/19(土) 22:56:28.63 ID:t+SnPtR2o
 頭の後ろのほうで、思考するためのなにかが停滞しているようだった。
 喉元から胸が冷たくなった。なのに、目の周りや、鼻の辺りはやたらに熱くなった。

「あ……えと、うん、おめでとう。ごめんなさい、今まで……」

以下略



52:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/19(土) 22:57:26.79 ID:t+SnPtR2o
 ――――

 気がつけば、目で追っている。姿が見えなくなっても、勝手に続きを想像してしまう。
 その隣に、自分を並べてみたりすると、ふと胸の辺りの空っぽに気づいてしまう。

以下略



53:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/19(土) 22:58:29.67 ID:t+SnPtR2o
 一橋くんの部屋のカーテンが開くのを見届けると、踵を返して、学校へと向かう。
 お昼は今まで通り、独りで食べていたけど、この間、奈那ちゃんに誘われてからは一緒に食べるようになった。
 時々、一橋くんも交えて、三人でごはんを食べる。
 私は、三人でごはんを食べるときは、奈那ちゃんと一橋くんが話しているのを黙って聴いている。

以下略



54:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/19(土) 22:59:59.20 ID:t+SnPtR2o
以上です。読んでいただきありがとうございました。


55:名無しNIPPER[sage]
2015/09/19(土) 23:44:42.31 ID:NNemCVk8O
乙!


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