過去ログ - 朝日奈葵「苗木ととれーにんぐ!」
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6:名無しNIPPER[saga]
2015/09/24(木) 00:11:57.49 ID:nH3K612x0
じゃあどうして――と考え込んでいると、不意を突くように彼女の声がボクの耳へとどいた。
「な、苗木こそ座ったら?」
「あ……う、うん」
今度はボクの方が気を遣われてしまった。全然冷静になれていないな……
でも、さすがにココで朝日奈さんの隣に座るほどの愚は犯さず、ボクはイスを引き付せて座った。
「……む〜」
「…………えっ?」
――また怒ってる。ていうかぷりぷりしてる、どうすればいいの霧切さん。
ボクが師匠への助力を念じているスキに、再び朝日奈さんが口を開いた。
「な、苗木は、なんとか思わないの? 私が……クラスメイトの女子が。急に押しかけてきてさ!!」
いや思うところはいっぱいあるけれど……朝日奈さんがソレ言うの?
「なんか落ち着き払っちゃってさ、全然フツーだし……」
何が不満なのかはよくわからないけれど、朝日奈さんはやっぱりちょっと怒ったように言う。
と、いうかボクは落ち着いているように見えているのだろうか。ビックリしすぎて対応が遅れているのは認めるけど……
「別に、落ち着いてなんかいないよ。その……」
ここに来て初めて、ボクと朝日奈さんの目が合った。
コロコロ変わる表情の豊かさで隠れがちな、整った顔が、不安げにこちらを見ていた。
「……緊張、してるよ」
包み隠さない本音だった。
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