過去ログ - Steins;Gate「二律背反のライデマイスター」
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156: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/08(木) 13:07:01.58 ID:OOOkqekxo
「……ういーっす、ただいまー」

「鈴羽! 遅かったじゃない、心配したのよ!」

 そういって駆け寄ってくる。すると死角から岡部倫太郎も顔を出し、ずかずかと近づいてきて声を張り上げた。
以下略



157: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/08(木) 13:08:55.82 ID:OOOkqekxo
 2人の大声に反応して気になってしまったのか、扉の先に姿を見せて、戸惑ったように口ごもる椎名さん。
 あっちゃー、説明する前に鉢合わせちゃったかあ。こうなることは容易に予想できたのかもしれないけど、迂闊だった。

「ああっと、こちら、隣に住んでる岡部倫太郎と牧瀬紅莉栖、帰りが遅いあたしを心配して見に来たみたい!」

以下略



158: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/08(木) 13:11:41.59 ID:OOOkqekxo
「突然お邪魔してすみません」

 椎名さんの穏やかな声で時間が再び流れだした。そして丁寧にお辞儀をして自己紹介した。彼女の名前を聞くと岡部倫太郎と牧瀬紅莉栖は2人して同時に顔を見合わせた。そして考えこむ。

「あのう、わたし……お邪魔でしたか?」
以下略



159: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/08(木) 13:14:35.33 ID:OOOkqekxo
 
 トントン、と小気味のいい音が後ろで聞こえてくる中、あたしたち3人はちゃぶ台を囲みながらひそひそと会話していた。

「おいバイト戦士、彼女とはどうやって知り合った」

以下略



160: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/08(木) 13:16:05.94 ID:OOOkqekxo
「ともかくバイト戦士よ!」

「ん?」

「彼女には真名で紹介すること。拠点に人を連れて来る時はこの鳳凰院凶真に許可をとること! 常に機関の監視を意識するのだぞ、分かったな! 以上だ」
以下略



161: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/08(木) 13:17:38.52 ID:OOOkqekxo
「名前はっ……」

 再び訂正しようとするが口ごもって続かない。一瞬不思議に思ったが考えてみれば納得の行くことだった。彼女が検査入院で病院に潜入した際に、今の戸籍による名前は使用しているのだ。それを教えてしまえばさすがに不審がられると思ったのだろう。まあ、あたしにしてみれば、関係性がバレてしまったとしても何の問題も無いと思うんだけどね。
 すると、見かねた岡部倫太郎が牧瀬紅莉栖を指さし叫んだ。

以下略



162: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/08(木) 13:19:02.77 ID:OOOkqekxo
「コツがいるんだよね〜。こうやってカエルを優しく握るような感じ? そんでもってぶにゅって親指と人差し指から丸めて押し出すようにして……」

「か、鳥の唐揚げのあげ方よね……? なんだか普段鈴羽が持って帰ってきてるのがカエルの揚げ物に思えてくるんだけど……」

「例えだって、例え〜。ってゆーか、カエルだって、結構美味しいよ」
以下略



163: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/08(木) 13:20:46.77 ID:OOOkqekxo
「椎名さん、もう10時ですけどお時間は大丈夫ですか?」

「あ、えっと……。そうね〜。あ、でもまだ後片付けもあるし……」

「いえいえ、それはこちらでやっときますから。今日はごちそうさまです」
以下略



164: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/08(木) 13:23:08.65 ID:OOOkqekxo
「バイト戦士よ! これから旧約聖書にまつわる大洪水がこの部屋を襲うだろう」

「だ、大洪水ぃ?」

「故に! この俺はノアを使いその身を隠す。貴様も洪水に飲まれて死にたくなかったら、どこかに身を潜めておくのだな!」
以下略



165: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/08(木) 13:25:07.07 ID:OOOkqekxo



 その後も椎名さんはちょくちょくうちに寄っては料理を作ってくれた。皆で料理をつつきながら談笑するその時間は何ものにも代えがたい時間だ。
 牧瀬紅莉栖の作ったアップルパイに仮死状態にされそうになった時にはさすがにムカっと来たけど。あたしと岡部倫太郎がそのことを責め立てると牧瀬紅莉栖はムキになって突っかかってきたり。
以下略



166: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/08(木) 13:27:07.39 ID:OOOkqekxo

 そこまでは順調だった。食べるものも豪勢になっていったし、家具家電も充実していき、徐々に生活の水準も上がっていった。
 けれど、IBN5100を購入して数日経った頃だった。その頃にはすでに椎名さんから借り入れていたお金も精算しきっていたし、IBN5100を1台購入したからといって無一文になるような資金繰りは行ってなかったはずなんだけど──
 突然、牧瀬紅莉栖が塞ぎこんで自分の殻にこもるようになった。何か思いつめたような、そんな表情をして。これにはみんな、戸惑いを隠せなかった。
 そんな変化が訪れて、とある日の晩御飯時。ご飯がよそわれた茶碗を片手にうつむき加減でぼうっとする牧瀬紅莉栖。
以下略



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