34:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 05:31:24.34 ID:EwL7hHPK0
「そうか、君は神様ではなかったのか」
「当たり前でしょう……」
一悶着あって。
あれから面倒くさい説明を経て、ようやく誤解が解けた。
来客用と思われるソファー、テーブルを隔てて向かい側に座る黒髪の女と、その後ろに立つストロベリーブロンドの女。
「それでは君は何者だ?」
俺が神様ではないことが分かると、何故か強気に出てくる男口調の黒髪。
俺がいる前で許可も取らずにタバコを吸い始めた。
「何者って―― ただの人間ですよ」
「何故人間が『悪魔』を助ける!?」
「――はっ?」
そういえばブロンド女も言っていたな…… 悪魔ってどういうことだ!?
やっぱり宗教関連の人間なのでは…… もしくはただの電波ちゃん。
「貴様もしや天使の手先かっ!?」
「だから何でそうなるんですか!!」
悪魔? 天使?
こいつらほんとに大丈夫か?
「言ったじゃないですか―― 彼女がマルチ商法の勧誘に遭っていたので、俺が止めに入っただけだって。悪魔だの天使だの知りませんが、俺はただの人間ですよ」
「それでは…… あの『スマイルリバティー教』って」
そこで気まずそうに呟くブロンド女。
「あれは、ただの出まかせですよ」
「そ、そんな……!!」
「な――! 貴様私たちを騙したのか!」
「なんでそうなるんですかっ!? あなたたち二人の勘違いでしょうが!」
もうやだ…… この人たち限りなく面倒くさい。
「人間に助けられるとは―― 何をやっているんだ彩音!」
「も、申し訳ございません玲子様!」
そして始まる叱責。
「あの…… もう帰ってもいいですか?」
別にお礼なんていらない。
早く帰りたい…… 気持ちの整理がしたい。
今日は色々ありすぎた。
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