過去ログ - 俺ニート、悪魔の手下になる。
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35:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 05:35:44.48 ID:EwL7hHPK0

「貴様―― このまま生きて帰れるとでも思っているのか?」

 そして今度は脅迫…… 黒髪女の赤い瞳が鋭い光りを帯びた。
 どういうことだ。感謝されることはあっても恨まれることはないはずだ。
 刃物のように鋭い眼光が俺を貫く…… 冷酷で非情で、その視線だけで人を殺せてしまえるのではないか、という具合に。

「――なんちゃって。あっはっはっはっ!」

 生まれて始めて女を殴りたいと思いました。

「すまない冗談だ」
「もう俺帰りますね」
「あー、待ってくれ!」

 ふざけてる。
 助けてやったのにこの茶番劇は一体何だ? 俺を馬鹿にしているのか?

「すまない―― 私の部下を助けてくれてありがとう」

 苛立って立ち上がった俺へ、黒髪女は頭を下げる。

「いいですよ…… 別に」
「私はここのオーナーをしている赤塚玲子(あかつかれいこ)だ。そして彼女は私の部下の――」
「和光彩音(わこうあやね)です…… 先ほどは本当にありがとうございました」

 頭を下げた後、自身の名を名乗る黒髪女…… 赤塚玲子。
 そして俺をここへ連れて来たストロベリーブロンドの和光彩音。

「俺は…… 成増善次郎です」
「善次郎くん―― そうか」

 別に今日これまでの関係だろうし名乗る必要もなかったが―― つられて名乗ってしまった。

「それでは善次郎くん―― 私の部下を助けてくれたことへのお礼がしたい」
「いや…… お礼なんていいですよ」
「そんなこと言っちゃって。本当は欲しいくせに」
「もう帰ります」
「あーごめんごめん! 待ちたまえ!」

 何だか調子が狂う…… 狂いっぱなしだ。

「お礼なんて―― そんな大したことはしていませんから」
「そんなことありません……! 善次郎さんに救われていなかったら私は邪教徒になっていました!」
「邪教徒って……」

 そもそも悪魔だか悪魔崇拝者だか知らないが、悪魔を崇拝している時点で邪教徒なんじゃ…… そこんとこどうなんだ。





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