44:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 06:11:29.75 ID:EwL7hHPK0
「そう、私は悪魔軍大元帥サタン様から直々に命を受けこの日本という国の掌握を任されたのだ! 私にかかればこの国の人間どもなぞ易々と手中に収めてみせる!」
「それで―― 依頼とやらがあるのにこんなことしていていいんですか?」
「……」
沈黙。
いや、まさかそんなはずは――
「善次郎さん…… 遂に言ってしまいましたね」
「ど、どういうことですか!?」
「いい、いらい、いらい…… いらい」
「大丈夫ですか玲子様! 善次郎さん、それは禁句ですいけません!」
まさか、あれほど強気に言っておいて。
「もしかして、もしかして依頼はまだ一つも――」
「うわああああああああ!! うるさいうるさい!!」
「本当に依頼入ってなかったのかよ!」
「いや、数件は入ったぞ」
「数件だけかよ!?」
「草むしり、楽しかったですよね玲子様! 依頼主のおばあさまが仕事終わりにご馳走してくれたお料理がまた格別で――」
「草むしり…… なんてリアルなんだ」
本当にただの何でも屋というか、パシリというか……
「もしかしてあなたたちって本部からこの辺境の地へ左遷されただけなんじゃ」
「そんなわけあるかぁ! 私たちは選ばれた優秀な悪魔なんだ!」
「それなら何故二人だけなんですか…… いくら膠着状態で軍勢を動かせないとはいえ、さすがに二人はないでしょうよ二人は」
「そんなわけないもん…… わたしはゆーしゅーなしょーぐんだもん」
「拗ねやがった……」
厄介払いされただけかよ。
何だか最初こそ驚いたけど興醒めというか、本当に時間の無駄だったというか――
58Res/83.62 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。