過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える 続きと終わり
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名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 19:48:38.25 ID:kAKMmD4ho
生まれて初めての告白は、想像していたよりもすんなりと言えた。
こんなことを言える日が来るなんて思わなかった。
「……初めて言ってくれたな」
以下略
33
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 19:49:18.68 ID:kAKMmD4ho
「……ちゃんと俺の気持ちを言うよ。けど俺はあいつにも離れてほしくないし、お前とも友達のままでいてほしい」
本当に、彼は変わった。このような論理的でも理知的でもない、強引で無茶なことは以前の彼なら絶対に言っていないと断言できる。
「あなた、滅茶苦茶なこと言ってるってわかってる?由比ヶ浜さんも私も、聖人でも君子でもないただの高校生なのよ」
以下略
34
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 19:50:10.68 ID:kAKMmD4ho
確かにこれで停滞はしない。なんらかの変化はする。だが、その変化が私にとって、全員にとって望ましいものとは限らない。
ただ、彼が前に進むと言うなら、置いていかれたくないなら、私も前に進むべきだ。置いていかないでと彼に懇願するのは間違っている。
今はどこが前なのかも、何が本物で何が偽物なのかもわからないけれど、彼が見つけてくれた私を大事に守ることから始めよう。
以下略
35
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 19:51:01.58 ID:kAKMmD4ho
たまに体中がくすぐったくなるようなことも言ったり、言われたり。
今日私は彼と想いを伝え合ったけど、問題がすべて片付いたわけじゃない。由比ヶ浜さんとはどうなるかなんてまだわからないし、私や彼に新たな問題が出てこないとも限らない。
けど今は、本音を話してもまだ続けていけることが嬉しいと、彼はそう言った。
以下略
36
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 19:52:09.31 ID:kAKMmD4ho
ふと思い出したように言う比企谷君は、私の目より少しだけ上、おでこ?髪?を見ている。
……そうだ、忘れてた。皆が帰ってからすぐ、髪をまとめて彼からもらったシュシュを着けたんだ。
うぅ、恥ずかしい。こいつこんなものでどれだけ喜んでるんだよとか思われてないかしら。
以下略
37
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 19:53:12.48 ID:kAKMmD4ho
ごく自然に放たれた質問。こんななんでもないもので、彼との距離が縮まったことを実感した。
当たり前のように踏み込んできてくれる彼に、それを受け入れることができた私に。
「進路と言っても私は国際教養科だから、文理選択は関係ないのだけれど……。一応、文系にするつもりよ」
以下略
38
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 19:54:01.44 ID:kAKMmD4ho
それでも、私は変えたくなった。
「だよな。……じゃあなんで文系にしたのか、聞いてもいいか」
「…………私にもやりたいことが、なりたいものがあるの」
以下略
39
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 19:54:44.82 ID:kAKMmD4ho
「……うん。これは私が解決すべき問題だから、あなたに助けてもらおうとも思ってない。ちゃんと……伝えて、わかってもらうわ。どんなに時間がかかっても」
「おお。お前ならできるよ。絶対」
「ありがとう。今日はなんだかあなた、根拠のないことばかり言ってるわね」
以下略
40
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 19:57:22.96 ID:kAKMmD4ho
言いにくそうな割に、目は興味津々だった。
やっぱり、あんな半端な言い方では気になるわよね。でもあまり素直に言う気にはなれない。
「…………あなたには言いたくないわ。だって、才能ないみたいに言われたことがあるもの」
以下略
41
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 19:58:12.84 ID:kAKMmD4ho
「…………笑わない?馬鹿にしない?」
「んなことするわけねぇだろ」
「…………。私、実はね、昔から………………」
以下略
42
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 19:59:42.01 ID:kAKMmD4ho
季節の移り変わりは私自身の環境も大きく変えた。生徒会長を退いて、高校を卒業して、大学へ入学して……。
そのどれもが一抹の不安と寂しさを、それだけでなくこれからへの期待を抱かせる、私の人生の節目と呼んでもいい出来事だった。
目まぐるしく変わる環境に、慌ただしく終われるように過ぎ去る日々もあったが、今はもう大分安定した生活ができていると思う。
以下略
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