39:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 23:44:39.29 ID:m9aJzdw+0
 P「おい、千早」 
  
 歩きながら、突如プロデューサーが千早を呼んだ。 
  
 千早「はい、なんですか?」 
40:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 23:46:25.68 ID:m9aJzdw+0
 P「初めて会った時、千早には自分は変わりたくない、っていう雰囲気を感じたんだよな〜。正直、その雰囲気は魅力だったし、直すつもりもなかったんだけどさ、気づいたら事務所のみんな、特に春香が千早をどんどん変えててびっくりしたよ。」 
  
 千早は、天海春香のことを思った。 
 リボンを付けた、よく笑い、よく動き、よくこける小動物のような少女。 
 自分に起きた変化のほとんどは天海春香との出会いがなければ成し得なかっただろう。 
41:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 23:48:57.87 ID:m9aJzdw+0
 千早「たしかに、事務所のみんなの存在が私を変えてくれました。ただ、私が存在したことで、事務所のみんなは変われたと思いますか?」 
  
 千早が問うと、プロデューサーは少し考えてから言った。 
  
 P「もちろん、変われたさ。」 
42:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 23:51:30.32 ID:m9aJzdw+0
 千早「ありがとう、律子。プロデューサーもありがとうございます。」 
  
 千早は笑ったが、疑問が解消されたわけではなかった。 
 実を言えば、天海春香が如月千早と出会ったことで得られたものがあったのか、ということさえ分かれば後はどうでもよかったのだ。 
 春香が自分に与えたものと自分が春香に与えたものは釣り合っていないのではないか。 
43:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 23:53:32.36 ID:m9aJzdw+0
 P「う〜し、着いたぞ」 
  
 プロデューサーが連れてきた場所は、見慣れた建物だった。三人は古びた雑居ビルの前に立ち、建物を見上げた。 
  
 律子「765プロ……あなたは仕事のことしか考えられないんですか」 
44:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 23:56:10.32 ID:m9aJzdw+0
 P「千早は、これからどんな風になりたいんだ?」 
  
 考え込む千早に、プロデューサーが話しかけた。 
  
 千早「私は、歌で誰かを変えられる存在になりたいです。そのためには......」 
45:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 23:57:28.82 ID:m9aJzdw+0
 P「ははは、その辺は変わってないな。」 
  
 千早「変わらないものもあります。」 
  
 P「まあな。けど、千早がこれからどんな風になっていくのか、俺はすごく楽しみだよ。千早が頑張っている姿を見せてくれるだけで俺も頑張れるんだからな」 
46:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 23:58:42.90 ID:m9aJzdw+0
 春香「千早ちゃんや他のみんなが隣にいて一緒に歌っているだけで、私はアイドルやっててよかった、って思うんだよ!」 
47:名無しNIPPER[saga]
2015/11/01(日) 00:00:06.41 ID:fkOZlYAM0
 あの太陽のようにまぶしい笑顔を思い出した時、千早は、自分が春香に何も与えていないわけではなかったと気付いた。 
 確かに自分は春香に借りがあるが、それは返していけばいい。 
 いつか一人の親友として、かつて自分がされたように、天海春香を勇気づけ、考えを正し、手をとって導いていきたい。 
 そうなってみせよう。如月千早は、決意した。 
48:名無しNIPPER[saga]
2015/11/01(日) 00:01:23.87 ID:fkOZlYAM0
 律子「もしかしてプロデューサー、千早を口説こうとしてます?」 
  
 P「大丈夫だって、俺はりっちゃん一筋だから。アイドルはみんな可愛い娘っ子だ」 
  
 律子「そんなこと言っても誤魔化されませんよ」 
49:名無しNIPPER[saga]
2015/11/01(日) 00:02:05.57 ID:fkOZlYAM0
 地の文が書きたかっただけなのです。 
 以上 
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