過去ログ - モバP「あの笑顔をもう一度」
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76: ◆eO0MHGE6wPTj[saga]
2015/11/18(水) 23:48:05.33 ID:opLhvimn0
部長の車に乗り、病院へ向かった。

部長は俺の事を考えてか、特に話しかけてきたりもしなかった。

「さぁ、着いたよ」

「ありがとうございます」

車を降り、凛の病室へ急いだ。

部長は何故か車で待っているらしい。

部長なりに気を使ってくれたのだろうか。

そんな中俺は、自分が段々と急ぎ足になるのがわかった。

凛の病室の前まで来たが、不思議なことに扉が開けられない。

怖いのだ。

もし、もう死んでしまっていたらと、悪い考えばかりが浮かんできた。

それでも、ここで逃げるわけには行かない。

凛が俺を支えてくれたように、俺も凛を支える義務がある。

そう思い、扉を開けた。

何も言わずに無言で病室へ入った。

なんて言えば良いのか分からないのだ。

そもそも今の凛の状態で俺がなんて言えばいい。

言葉がいくら探しても出てこなかった。

そして、俺が病室に入り、凛の姿が目に入った。

人工呼吸器にを付け、頭に包帯を巻き、白いベッドの上で眠っている凛の姿だった。

眠っているというのもおかしな表現なのかもしれない。

意識を失っているのであって、眠っているわけではないのかとも思うわけだ。

「凛……」

やはりなんと言葉を掛ければいいか分からない。

俺は凛の手を握った。

冷たくなくて、安心した。

まだ生命の息吹を感じられる暖かさだったのだ。

凛が生きている。

そう実感した。

今、凛は何を考えているのだろうか。

何か夢を見ているのだろうか。

絶望の淵に立たされ、絶望しているのだろうか。

後者だとするならば、それは俺が支えてあげたいと思った。

少し傲慢かもしれないが。


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