過去ログ - モバP「あの笑顔をもう一度」
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79: ◆eO0MHGE6wPTj[saga]
2015/11/19(木) 23:52:00.45 ID:FeijHWiK0
「ほぼ脅迫だよこれ……」

そう小声で呟いた。

しかし加蓮はそれを聞き逃してはくれなかった。

「何、脅迫って、そんなことしてないでしょ」

「いや、そんな顔をされて断れるわけ無いだろ。殺される」

「ちょ、ひどくない? 笑ってただけだよ?」

「そうかもしれないが、俺にはその顔の凛を見たことがあるんだよ」

あれは忘れることが出来ないであろう。

笑っているから大丈夫であろうとたかをくくっていたら酷い目にあったのだから。

「へぇ、なにかあったの?」

「聞きたいか?」

「聞きたいなぁ」

「わかった、話してあげるよ。あれは、去年の10月頃だったね。凛と夜話してたんだ。それで俺がそうしようも無い人間だよねって話になったんだよ」

そう、仕事の話をしていた時に仕事の少なさが申し訳なくなり、謝りながら俺は自分を卑下した。

凛は、そんな俺に対してそんなことないと慰めてくれたが、それでも俺は気が晴れずに、いつまでもぐちぐち言っていたのだ。

「凛もよく言ってたなあ。うちのプロデューサーが卑屈すぎて困るって」

「え、そうだったのか、やっぱりよくなかったんだな」

「それはこれから直していけばいいの。それで、続きは?」

「あぁ、最初こそ凛は否定してくれたけど、途中からあまり喋らなくなってな、それが俺は悔しかったのか、構って欲しかったのか分からんが、いつまでも1
人でどうのこうの言ってたんだ。そしたら凛が不意に笑い出して、そんなことないよ、って言ったんだ。だから俺、いや、俺は駄目人間だ、っていったんだよ。そしたら凛ブチ切れた」

「えぇ、それで凛はなんて?」

「それがな、じゃあもうアイドルなんて辞めるから! 何でここまでプロデューサーと頑張ってきたのにそんなに自分を悪く言うの! 私の為にすごく努力をしてくれてるのも知ってるし、無理してるのも知ってる。なのにそんなに自分を悪く言う意味が分からないよ! 私に仕事が無いのだって私にも原因はある、それを全部背負い込んで自分が悪いです。俺だけのせいですなんて、慰めて欲しいの? もっと文句を言われたいの? それも分からないよ! 少しは私の悪いところを指摘してよ! 私のせいにもしてよ! 私をそんなに信用できないの? だったらもうプロデューサーなんて知らないよ! って言って帰っちゃったんだよね。一語一句間違えてないわけじゃないけど、確かこんな感じ」

「凛、怒ると結構怖そうだしね。でも、よくそんなになったのに仲直りできたね」

「次の日ちゃんと家に謝りに行ったんだよ。凛も言い過ぎてごめんって言ってきたけど、それ以来凛を怒らせることはなくなったな。あれはあまりに迫力が
あって怖すぎた」

「それならよかったね。私も凛は怒らせないようにしよう」

「おう、それを勧める」

また凛が本気でキレたらショック死するかもしれないしな。

大事なパートナーに見切られるのは大いに辛いものがある。


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