過去ログ - 勇者「デブと一緒に旅に出ることになった」
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133: ◆LsZ4kFgXss[saga]
2016/01/11(月) 20:09:36.27 ID:vFMcL4TtO
その後、勇者達は魔王に関する決定的な情報を得ることができなかった。
ハイエルフは何百年も前からこの地に移り住んできて、魔王の存在も知っているはず。
しかし、魔王の名を出すとハイエルフ族はなぜか皆、そそくさと立ち去ってしまう。
触れてはならぬ掟でもあるのだろうか。
温泉街を東へ西へ、三人で手分けして奔走したが、返ってくる反応は同じだったという。
すっかり意気消沈した様子で、勇者は力なく洋室のベッドへ身を投げた。

ソラト「こらー! 汚れた身体であたしのベッドに寝転ぶな!」ボカスカ

勇者「貴重な一日を無駄にした……」

ソラト「魔王の情報が掴めなかったこと? 馬鹿ね、元からこんな辺鄙な場所に期待なんかしてないわよ」

勇者「そういうお前も、俺以上に走り回ってたろ。頼むから汗だくの状態でこっち来るな、ああ臭い臭い」

ソラト「臭いですって……!」

ソラト「なすりつけてやるー!」ガバッ

勇者「っておい、やめ……! おげえぇぇ! 本当にやめろ! 斬るぞ!」

ソラト「あんた最近調子に乗ってるからね。ここらでお灸を据えとかないと!」

皇帝(ベッドの上で……勇者と余の妻が……いやらしくじゃれあっている! まるで発情期の獣のように!)グッ

皇帝(見ていられない)

女騎士「陛下」

皇帝「……なんじゃ?」

女騎士「どうぞこちらへ。ご報告したいことがあります」

女騎士は皇帝と一緒に見晴らしの良いバルコニーを訪れた。
最上階にあるので、温泉街を一望できる。
手すりに寄りかかりながら、皇帝は遠くを見る様な目つきで、温泉街を歩く浴衣姿の観光客を眺めていた。
二人きりで来たのには勿論、理由がある。
勇者が魔王の末裔であるか否か、これまでの戦いも考慮してもう一度語らうためだ。

女騎士「シルバーゴールドドラゴン戦で、勇者様は炎に付加された麻痺属性と凍結属性の影響を受けました」

皇帝「しかし、汝は影響を受けなかった。おまけに威力の高い徹甲矢でも破壊できなかった鱗を、聖剣にて一撃で斬り裂いた」

皇帝「ハゲから聞いた話では、そうなっておる。真ならば、聖剣の力を最大限に引き出せるのは汝……。つまり勇者に限りなく近い存在ということじゃ」

女騎士「勇者様の剣が偽物であると?」

皇帝「そうかもしれぬし、否かもしれぬ。竜を斬った時、どの様な状態じゃった?」

女騎士「そうですね。身体が焼けるように熱くて、勇者様を助けることしか考えていませんでした。それから、声が聞こえました」

皇帝「声? じゃと?」

女騎士「可愛らしい女の子の声援です。夢に出てきた女の子と同じ……」

皇帝「夢も見たのか? 詳しく教えてくれ」

???「ヴォイ、ちと待てよ。人っ子一人いない場所で、何をコソコソ話してるんだい」

皇帝「汝は!」ビクッ


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