839:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:32:07.93 ID:pZZx+2x0o
「ちい姉の彼氏って、ひょっとして……」
「はい」とるーは頷いた。
840:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:32:46.98 ID:pZZx+2x0o
「さて、じゃあタクミ、ベースとアンプと教本は貸してあげるから、家に帰っても練習すること。夜はあんまり音出しちゃ駄目だよ。ヘットホンつけてね」
「……あ、うん」
841:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:33:22.97 ID:pZZx+2x0o
「誰の家が一番近い?」
「俺の家かな」とゴローは言う。
842:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:33:52.12 ID:pZZx+2x0o
宣言通り高森とゴローを送り静奈姉の部屋に向かう頃には、あたりは暗くなりだしていた。
「学校で、るーはどう?」
843:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:34:22.55 ID:pZZx+2x0o
「ほら、るーとの約束があったからかなって」
……約束?
844:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:34:48.45 ID:pZZx+2x0o
「ね、タクミ、訊いていい?」
「なんですか?」
845:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:35:17.78 ID:pZZx+2x0o
「……好きですよ。でも、なんだか申し訳なくて」
「申し訳ない? って?」
846:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:36:00.13 ID:pZZx+2x0o
彼女はハンドルを握ったまま、少し黙った。
「それが難しいところなんだよね」とすず姉は言った。
847:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:36:40.29 ID:pZZx+2x0o
「よっぽど、嫌いだったみたいで。おばあちゃんがほとんど追い出すみたいに……って言っても、喧嘩別れだったみたいだけど、
お母さんとお父さんが別れちゃって。それで、おばあちゃん、お母さんがいなくなったあと、ちい姉に手をあげるようになったんだって。
お父さんは弱い人だから……おばあちゃんには逆らえなくて、家を出ることも、できなかったみたい。見た目通り、ちょっと厳格な家だから」
848:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:37:32.71 ID:pZZx+2x0o
よだかは、ちい姉に似ている。
そう言っていたのは、るーだった。
るーはきっと、両親の祝福を受けて、暮らしていた。
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