過去ログ - 美希「第一歩なの」
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6:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 21:28:36.44 ID:U3uWc7f60
「ごめんね、またね〜なの」

「美希がバスケ部に入ってくれれば、全国大会に出られるかもしれないのに……」

残念そうにするクラスメイトであったが、これは毎日見られる光景である。
以下略



7:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 21:30:05.17 ID:U3uWc7f60
「あふぅ、最近ツマンナイの。部活動も一通りやったし、飽きちゃったなぁ……ひゃっ!」

校舎を出て、欠伸をする美希であったが、その欠伸は肌寒い風にかき消された。

「うう、寒いの。どうして他の人は平気なの?」
以下略



8:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 21:33:22.36 ID:U3uWc7f60
「ただいまなの……」

誰もいない家に帰ると、美希は出かける準備を始めた。美希は夢中になれることこそ学校にはなかったが、おしゃれをすることが生来好きだった。
美希は、彼女曰く『全然イケてない』制服を忌々しげに脱ぎ捨て、下着姿となった。

以下略



9:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 21:37:04.40 ID:U3uWc7f60
「ミキってそんなにスタイル良いのかなぁ。たしかにおっぱいは大きいけど」

美希は鏡を見ながら自分に問うた。
腰まで届くほどの茶色がかった長髪、平均的な身長、華奢と言ってもいい体。
美希は、自分の体はその実、胸の大きさ以外至って平均的であるように感じ、物足りなさを覚えていた。
以下略



10:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 21:38:54.86 ID:U3uWc7f60
「う〜ん、どうしようか迷うの」

美希が副都心にある喫茶店で、好物のキャラメルマキアートを飲みつつ、髪の色をどうするか考えていると、隣の席から女性の叫び声が聞こえた。

「かわいすぎるわ!!やっぱり時代は金髪よ、金髪!!」
以下略



11:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 21:40:22.35 ID:U3uWc7f60
「ねえそこのお姉さん、何してるの?」

「おねえさん!?」

「うん、お姉さん。何で金髪がどうとか言ってたの?」
以下略



12:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 21:41:49.42 ID:U3uWc7f60
「それで、どうしたの?私に何か用かしら?」

「あのね、ミキが髪の色どうしようかな〜って考えてたら、お姉さんが『金髪がいい』って言うから、なんでなのか聞きに来たの」

「ああ、その話ね。いい?金髪っていうのは、男の子でさえもかわいく見せてしまうのよ。美希ちゃんは音楽家にメンデルスゾーンっていう人がいるのは知ってるかしら?」
以下略



13:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 21:43:39.30 ID:U3uWc7f60
「ふうん、確かにかわいいと思うな。でも、金髪になったミキの方が凄いよ?」

雑誌を見た美希が自慢げに言うと、小鳥は笑って言った。

「美希ちゃんみたいな若い子が金髪にするのは、早いと思うわよ?」
以下略



14:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 21:44:59.92 ID:U3uWc7f60
美希は小鳥をおいて店を出ると、美容室へと向かった。
美希はマイペースな性格ではあったが、同年代の少年少女と同様、やめておけと言われるとやりたくなってしまう天邪鬼な性質も持ち合わせていた。

「それに、こういうのはちょっとしたきっかけで決めるのが一番なの」

以下略



15:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 21:46:52.38 ID:U3uWc7f60
「こらっ。学校もあるのに、金髪にしたらだめでしょ?」

「ひゃぁっ!」

美希は後ろからふいに肩をつかまれて、思わず声をあげた。振り向いて小鳥だと確認すると、美希は恨めしそうに小鳥を見つめた。
以下略



16:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 21:48:40.54 ID:U3uWc7f60
「ダメよ小鳥、ここは大人としての威厳をしっかり見せないと。」

小鳥は首を小刻みに振ると、きっぱりと言った。

「なおさらいけないわ。ご両親が何て言うか」
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