過去ログ - 【R-18】絵里「サイアミーズ・ワルツ」
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1: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2015/11/26(木) 01:22:42.89 ID:HOdWGeeOo

※えりうみ
※R-18



  ◆  ◆  ◆


 波打ち際みたいに小さくたゆたう青いカーテンの隙間から、
 まだ朝の光は漏れてこない。
 ひどい夢をくぐり抜けてこのベッドで目覚めても、
 まだ夜は明けてなかった。

 眠りの向こう側に置いてきた傷が、
 事故で失くした幻の腕が痛む話みたいに、じんじんと響いてくる。

 ぼやけた目をこすると乾きたての涙がにじんで、
 なにかとても大切なものを置き去りにしてしまったような気がした。

 私の両腕はちゃんとここにあって、
 片側は大事なひとを離さぬようにと、
 うなじの下で今も支えているはずなのに。


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2: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2015/11/26(木) 01:24:29.74 ID:HOdWGeeOo

 腕枕、あいしあう二人なら痺れないんですって。

 どこで聞いたかも思い出せないそんな話、
 あの子の向こう側で指をひらいたり閉じたりして、
以下略



3: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2015/11/26(木) 01:24:56.43 ID:HOdWGeeOo

 いつの間にか、海未より私の方が早起きになった。
 というより、
 明け方に勝手に目がさめちゃうの。

以下略



4: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2015/11/26(木) 01:25:22.77 ID:HOdWGeeOo

 触れ続けている部分でひびく心音と、
 重ね続けたせいで溜まった熱がにじませる汗。

 べとつく表面が、そういうことしてる時のようで、
以下略



5: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2015/11/26(木) 01:25:49.33 ID:HOdWGeeOo

 海未の息を口の中で感じて、
 いまここで生きている、私に気を許してくれている事実に、
 もう少しで満たされそうだった。

以下略



6: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2015/11/26(木) 01:26:15.92 ID:HOdWGeeOo

 私は、自分の意志でごろりと反対に寝転がって、海未から唇を離した。

 うぅん、と隣で漏れた声、
 起こしちゃったかと動揺したけど気のせいだった。
以下略



7: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2015/11/26(木) 01:26:42.34 ID:HOdWGeeOo

 えい、って掛け布団を思いっきり引き剥がしてやった。
 向こうによけて、汗まみれだった肌を乾かすように。

 変に弱気になるのはきっと、この空気のせい。
以下略



8: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2015/11/26(木) 01:27:08.67 ID:HOdWGeeOo

 遠くで時計の音がかちかち鳴って、どこかで時が動き続けていた。
 天井がやけに高かった。
 その先の青いカーテンに目をやるけど、朝もまだ遠かった。

以下略



9: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2015/11/26(木) 01:27:35.17 ID:HOdWGeeOo

「ごめんね、起こしちゃった?」

 海未は聞きもせず、顔を枕の方へ押し込めてくる。
 そのまますりよせるように、私の胸元に。
以下略



10: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2015/11/26(木) 01:28:01.49 ID:HOdWGeeOo

 くすくす笑いが引いていくと、身体の音が大きく感じてきた。
 呼吸や心音を、
 体温ごと抱きしめているみたいで、
 私の方が抱き留めているのに、海未に包まれている感じがする。
以下略



11: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2015/11/26(木) 01:28:27.92 ID:HOdWGeeOo

 ふと、海未の顔が私からはがれる。
 もぞもぞとくぐり出て、枕元に顔を並べてみせる。


以下略



12: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2015/11/26(木) 01:28:54.80 ID:HOdWGeeOo

「海未。こっち向きなさい」

 え、と振り向いた首をつかまえてキスした。

以下略



13: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2015/11/26(木) 01:29:21.22 ID:HOdWGeeOo

 ぱっと見開いた目がすぐ閉じられて、私の背中に手が伸ばされる。
 寝起きのねばっこい唇に吸いついて
 ぼんやり閉じた歯を舌でこじ開けて海未を求める。

以下略



14: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2015/11/26(木) 01:29:47.59 ID:HOdWGeeOo

 舌の裏側をくすぐったり
 襞をすり付けたりして
 感触と唾液が混じるのをたのしみながら、
 右の頬に添えた手を動かしていく。
以下略



15: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2015/11/26(木) 01:30:13.92 ID:HOdWGeeOo

「えり……あさ、ですよ」

「まだ夜よ」

以下略



16: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2015/11/26(木) 01:30:40.44 ID:HOdWGeeOo

 海未、すごい格好よ?

 唇を離して見下ろした白い肌の線が、闇のなかでこわいほど輝いてみえた。

以下略



17: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2015/11/26(木) 01:31:06.85 ID:HOdWGeeOo

 途切れ途切れの声で、
 ちゃんとしてください、なんて口ごもる。
 まだ、足りないの? ちゃんと言ってよ。

以下略



18: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2015/11/26(木) 01:31:33.37 ID:HOdWGeeOo

 唇をふるわせて黙ろうとするけど、
 鼻息がふぅふぅと漏れてよけいにいやらしい格好してる。
 乳首のかたくなったとこ、丸めた舌で包んで周りごと強く吸い上げる。
 ここなら痕がついたって、私しか見ないものね。
以下略



19: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2015/11/26(木) 01:31:59.70 ID:HOdWGeeOo

 もっと、ほしい。
 私にだけほしい。
 膝で両股を広げて割り込んでいく。
 声をあげて私の膝を細い両脚が強く挟んだ。
以下略



20: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2015/11/26(木) 01:32:26.02 ID:HOdWGeeOo

 え、って声も出ない。
 あの子の唇があたる。
 海未ったらとまらない。

以下略



21: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2015/11/26(木) 01:32:52.43 ID:HOdWGeeOo

 その腕がごろんと私を横たえた。
 落ちないように私の身体を片腕で支えた一瞬、
 海未にだっこされたみたいでドキドキしちゃう。

以下略



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