過去ログ - 晶葉「どうにも私は、恋をしているらしい」
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23: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:28:27.02 ID:NjB6h2Aj0

自分はアイドル事務所のプロデューサーで、私をアイドルにしたい。と、そう彼は言った。
正直驚いた。突然すぎて何が何だか分からなかった。
自分と縁遠いなんてものじゃない世界の住人が、目の前にいたんだ。
だけど私はその驚きを口にするよりも先に、顎に手を当て笑みを浮かべていた。

「ん? アイドル? 面白いな、私の才能を世に知らしめるチャンスというわけか!」

強がり、だとは今でも思っていない。あれはきっと、私の本心だった。
自分の発明品が注目されない事も、父の背をいつまでたっても越えられない事にも、私はネガティブになっていた。
だから私には、彼の誘いが天啓のように聞こえていたんだろう。
反射的な迷いよりも、自分のもっと深い部分にあった意志が前に出たんだ。

「よし、ではプロデューサー、優秀なら助手にしてあげよう!」

アイドルなんていう未知の世界に、何も知らない私にとって唯一の供である彼の手を取って。
私はアイドルになったんだ。



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