過去ログ - 海未「私を見つけだして」
1- 20
26: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:29:42.94 ID:QvQsG1d2o
 ふらり、ふらりと街を歩く。

 この前とは違い目的はある。目的地、といったほうが良いか。

 夕暮れ時。多くの人が混じりあう駅前。そこに近づくにつれて、聞きなれた歌声が届いてくる。
以下略



27: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:30:13.87 ID:QvQsG1d2o
「ありがとうございましたー!」

 その言葉を皮切りに、人がまばらに散っていく。中には穂乃果に声をかける者までいた。

 熱心なファン。そういえば、μ'sの時にも、穂乃果はそういう人に恵まれていた。
以下略



28: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:30:41.40 ID:QvQsG1d2o
「お疲れ様です、穂乃果」

 マイクとスタンドを片付け終えた穂乃果に声をかける。

「あ、海未ちゃん。来てたんだ」
以下略



29: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:31:12.38 ID:QvQsG1d2o
 少しだけ値段の張るレストラン。チェーン店ではなく、それなりの格調があるところ。

 かといって過度に上品というわけでなく。大学生の私たちでも気兼ねなく入れる場所だ。

 雑談を交えながら料理を注文する。さっきの歌はどうだったとか、新しくできたファンのことだとか。
以下略



30: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:31:39.03 ID:QvQsG1d2o
「私は、あなたと一緒にいたかったんです。でも、それじゃ駄目だと思ったんです」

「うん」

「だから、進路のことも聞きませんでしたし、言いませんでした。その方が私たちにとっていいことだと思ったからです」
以下略



31: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:32:05.68 ID:QvQsG1d2o
「な、何故笑うんです」

「いやぁ、海未ちゃんらしいなぁって」

「わ、私らしい?」
以下略



32: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:32:33.05 ID:QvQsG1d2o
 確かに覚えがある。μ'sとしての活動が軌道に乗っていたこと。ことりに留学の話が来ていたときだ。

 神田明神にて、ことりが私たちにいつまで一緒にいられるのだろうと問いかけたのだ。そして穂乃果がずっと一緒だと答えた。

「私たちは確かに別々の道に進んだけど、バラバラになっちゃったってわけじゃないでしょ?」
以下略



33: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:33:07.14 ID:QvQsG1d2o
「一緒にいたいと、思っていいんですね」

「当然だよ。だって、私たちは友達でしょう?」

「……そう、ですね。私たちは親友です」


34: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:33:39.65 ID:QvQsG1d2o
「それで、結局あなたの一人相撲だったってわけ?」

「まぁ、そうなりますね。あ、もうちょっと薄めの方が私は好きです」

 一週間が経った。私は、穂乃果の家に足を運ぶようになった。
以下略



35: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:34:12.73 ID:QvQsG1d2o
「ま、悩みが解決したのならそれでいいんじゃない。以前よりかは時間を有効に使えるようになったでしょう?」

「はい。……あー、いえ、暇であることには変わりありませんが」

「あなた、趣味とかなさそうだものね」
以下略



36: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:34:39.02 ID:QvQsG1d2o
「私は、あなたともう一度歌ってみたいって思ってるわ。穂乃果もきっと同じ。あなたはどう?」

「……吝かではありませんが」

 もう一度一緒に歌えたらと思ったことがないわけではない。それほど楽しかったことだし、夢中になったことだ。
以下略



49Res/29.89 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice