過去ログ - エツァリ「どこまでもお供しますよ、御坂さん」
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16:名無しNIPPER[saga]
2016/01/01(金) 17:15:43.90 ID:rO7pPSeE0

(――行かなく、ちゃ)

行かなければ、と思った。どこに?と聞かれても答えられないけれど。
どうして?と聞かれても、何も理由は重い浮かばなかったけれど。
それでも、行かなければならない。行って、救わなければ――

(あ、れ……?)

そこでようやく気が付いた。腕が動かせない。腕だけでなく、足もだ。
横たわっているベッドに付け加えられた半円状の鋼鉄が四肢を固定し、自由を奪っている。
まるで美琴を縛り付けて、押さえつけておくように。

(……なに、これ)

意識が急速に明確になる。加速を付けたように学園都市の最高峰の頭脳がまわり始める。
怪我を治癒するために病院に運ばれた、などという甘い考えは捨てなければならない。彼女の頭にあるのは最悪の可能性の考慮。

あの『実験』を知ってしまったために、学園都市側に危険因子として捕えられたのか。
このまま自分のモルモットのように切り刻まれて、別の実験に駆り出されるのかもしれない。
どちらにしても、回避しなければならない事態だ。

(まずい、まずい、まずい、まずい――)

生存本能が警報を鳴らす。逃げろ、逃げなければならないと瞬時に判断した。
手馴れたように演算を開始し、腕や足に纏わりつく鎖を断ち切ろうとして、

「御坂さんッ!」



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