過去ログ - エツァリ「どこまでもお供しますよ、御坂さん」
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38:名無しNIPPER[saga]
2016/01/08(金) 21:23:33.37 ID:JH8XbMho0

「でも、それではきっと後悔する。
 今は一時的な逃避に甘んじれても、いつか来たるべき日に思い出したとき、今度こそ貴女は崩壊する」

今度こそ貴女は、自分を殺す。
以下略



39:名無しNIPPER[saga]
2016/01/08(金) 21:30:27.11 ID:JH8XbMho0

「だから、思い出してください――御坂さん」

少しずつ、確実に、美琴の記憶の殻が壊されていく。
満杯の杯を揺らされたように、ギリギリで保たれていた均衡が崩れて。
以下略



40:名無しNIPPER[saga]
2016/01/08(金) 21:34:43.26 ID:JH8XbMho0





以下略



41:名無しNIPPER[saga]
2016/01/08(金) 21:37:18.25 ID:JH8XbMho0

――――そうだ、見ていた。


私は、見ていた。
以下略



42:名無しNIPPER[saga]
2016/01/08(金) 21:39:37.47 ID:JH8XbMho0


思い出すのは、蒸せ返りそうなほど強烈な血の匂いと、

赤に赤を溶かし込んだ、真っ赤な世界。
以下略



43:名無しNIPPER[saga]
2016/01/08(金) 21:46:45.54 ID:JH8XbMho0


これは、彼女の記憶のレールの続き。
八月二十一日の、終わってしまった御噺だ。

以下略



44:名無しNIPPER[saga]
2016/01/08(金) 21:48:39.41 ID:JH8XbMho0
10032号の首が飛んだあと。
その全てを見終わって。

「……あ」

以下略



45:名無しNIPPER[saga]
2016/01/08(金) 21:50:23.61 ID:JH8XbMho0

そんなことにすら、美琴は気づかなかった。
美琴の視界には、“10032号だったもの”しか映っていない。
長い長い数センチを超えて、ようやく10032号の体に辿り着いた。
鬱陶しい程重くなった自分の体に鞭をうち、上半身を起こしてまだ温かいその体を掻き抱く。
以下略



46:名無しNIPPER[saga]
2016/01/08(金) 21:52:34.33 ID:JH8XbMho0

一つだけ、彼女の「悪」が届くものがある。
絶望的に。けれど絶対的に。
だから彼女は再び刃の柄を握る。

以下略



47:名無しNIPPER[saga]
2016/01/08(金) 21:53:29.49 ID:JH8XbMho0

「……私も、一万人を殺した、犯罪者なんだから」

そう、ぽつりと呟いて。
彼女は、自分だけの現実を振りかざす。
以下略



48:名無しNIPPER[saga]
2016/01/08(金) 21:54:43.40 ID:JH8XbMho0
裁かれなければならない罪が、ここにある。
ならば、その内の一つだけでも、冥土の土産に。
あの子たちに、私の血で手向けの花を咲かせよう。

そうして、御坂美琴は自身を拒絶した。
以下略



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