過去ログ - 【悪魔のリドル】春紀「あれから」
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57: ◆UwPavr4O3k[saga]
2016/05/06(金) 06:39:27.76 ID:XcfkH6Ru0

 

 ニオ「あ…う……あ……」


血だまりを床に作っていた頬は一時的にガーゼが乱暴に貼り付けられ、相変わらず吊り下げられたロープがギリギリと手首に食い込んでいる。

だが、それよりもだらしなく口を開けて涎が零れ続けているニオの表情は蕩けきって………その原因は真昼の手に握られているモノだった。

極細の注射針からはせわしなく液体が溢れ続けており、差し込まれた真昼の腕へと流れていく。


 真昼「(……チッ、薬なんぞ使いたくなかったんだけどよォ。)」


ニオに打ち込んだのは筋弛緩剤と中毒性のある薬品。自分に打ち込んでいるのは、"禁断症状を抑える"為のとある薬。

薬漬けは理事長の指示だ。真昼としては薬漬けにするのだけは、面白くないとしてあまり好んでいない。

あくまでも、人間としての理性・情緒を持った対象を嬲る事が楽しいのだから。


 真昼「(あァ―――――ここだ。この瞬間だけ、"彼"と一緒になれる)」


込み上げる感情をくつくつと喉の奥を鳴らし、ビクビクと背筋を震わせては、一時的な悦楽を享受する。

針の差し込まれていた真昼の腕は、もう、何度打ったかもわからない程に青痣が作り出されている。




口の中には、延々と嬲られ続けた真昼の唾液と自分の血と。

あまりにも、嗅覚を支配しているのが鉄臭くて、それ以外の感覚が全ておかしくなっている。

手首が痛い。吐き気がする。頭が痛い。がんがんと耳鳴りがする。寒気がする。腕が、足が、胸が、お腹が、首が、瞳が―――――――――――。

徹底的に抵抗する力を失われ、血も失い更に薬で脳もおかしくなっている。

怖い。こわい、いたい。


それは、決して肉体が壊れてしまう事だけではなく。

心が壊れてしまう事が、一番怖い。


せっかく、助けてもらった、ニオが。



 『……。一人じゃ身を守る事も出来ないグズがいつまでウチの体に居座ってるッスかねェ。結局、テメェ一人じゃ何も壊せないし殺せない。自分を"殺す"事も出来ない』






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