過去ログ - 雪乃「今年も、よろしく」
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7:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/04(月) 00:03:38.78 ID:bBjfBo6F0

『誕生日。おめでとうね、雪乃ちゃん』

素直に驚いた。
予想の斜め上だったから。姉さんがこれだけわかりやすい言葉を掛けてくれることが、久しくなかったから。電話の向こう側からは退屈そうな声が聞こえてくる。
以下略



8:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/04(月) 00:05:36.10 ID:bBjfBo6F0
うふふ、という含み笑いが聞こえてきた。今電話の向こうでどんな顔をしているかを想像すると、一刻も早く電話を切りたくなってしまう。

『いや、愛しの彼からプレゼントは貰ったのかなーって思って』

とくん、とまた心臓が跳ねた。
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9:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/04(月) 00:07:22.63 ID:bBjfBo6F0
夕食は冷蔵庫に残ったもので簡単に済ませた。

本来であればもう少し机に向かうところだけれど、今日はどうにも手に付かなかった。
原因はわかっている。けれど、その原因を自ら除くことが出来ない。やる、やらないではなく、出来ない。なら私にはどうしようもない。そんな諦めの境地だった。

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10:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/04(月) 00:08:45.32 ID:bBjfBo6F0

『うんうん。でね? この前メールで話したかもだけど、部室でパーティしようかってなってるんだけど』

「でも迷惑、ではないかしら? みんな受験勉強で忙しいだろうし」

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11:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/04(月) 00:10:22.17 ID:bBjfBo6F0

「どうしたの?」

『ううん何でもないよ。 ところで今日どうだった? なにしてたの?』

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12:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/04(月) 00:12:00.92 ID:bBjfBo6F0
おやすみなさい。そう言い残して電話を切った。

彼女との付き合いももうすぐ2年。あの頃よりきちんと成長したと思えば、どこか抜けていて。けれど、彼女も私にないものを持っている。それに随分と助けられてきた。
だから、今日言ったありがとうだけじゃきっとまだ足りない。由比ヶ浜さんに言えば否定されてしまうのだろうけれど。
笑みが自然とこぼれる。
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13:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/04(月) 00:13:19.18 ID:bBjfBo6F0

『……もしもし』

声を聞いた途端、心臓が跳ねる。

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14:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/04(月) 00:14:47.03 ID:bBjfBo6F0

「冗談よ。こんばんは、比企谷くん」

『おお。悪いな夜分に』

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15:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/04(月) 00:16:23.70 ID:bBjfBo6F0

「ええ。あけましておめでとう」

『いや、それもそうだけど。そうじゃなくてだな』

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16:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/04(月) 00:18:54.16 ID:bBjfBo6F0



満ち足りた気持ちで文庫本を閉じた。
立ち上がって文庫本をしまった時にふと、枕元に置いた携帯が目に入った。
以下略



17:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/04(月) 00:21:07.57 ID:bBjfBo6F0
超短編ですので以上で終わりです
ありがとうございました


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