過去ログ - 神様「勇者も魔王もいなくなった世界で」
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1
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◆WnJdwN8j0.
[saga]
2016/01/22(金) 18:35:36.02 ID:B9+RLd+z0
少女「うーん…?」
眠りから覚めて、うっすら目を開けると知らない部屋の天井が目に映った。
ここはどこ、なんて考えにも至らないぼんやり頭。眠気がまだ残っているせいか、それとも――
男「目覚めましたか」
少女「ん…?」
体を起こし目をこすり、男の方に体を向ける。
知らない男。歳は20代半ばといったところか。
男「まだ、ぼんやりしますか?」
少女「……」
周囲を見渡す。最低限の家具だけを置いてある広い部屋は、殺風景にも見える。
男「今の状況…理解できませんよね」
少女「そうですね」
少女は不思議と落ち着いていた。
本当ならパニックになっても仕方ないのかもしれない。だって自分は――
少女「私は…何ですか?」
記憶を、失っていたのだから。
SSWiki :
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2
:
◆WnJdwN8j0.
[saga]
2016/01/22(金) 18:36:02.42 ID:B9+RLd+z0
男「何…というのはざっくりした質問ですね」
男はそう言いながらも、少女に手鏡を渡した。
手鏡に映っていたのは10代半ばくらいの、人間の少女。とりわけ美人ではないが、ひどいブスでもない。
これが自分の“外見”だと理解はした。
以下略
3
:
◆WnJdwN8j0.
[saga]
2016/01/22(金) 18:36:39.57 ID:B9+RLd+z0
少女「では私は望んで記憶を捨てたのですね」
神様「その通り」
少女「私の記憶を消したのは神様?」
以下略
4
:
◆WnJdwN8j0.
[saga]
2016/01/22(金) 18:37:20.68 ID:B9+RLd+z0
少女「………わかりません」
しばらく本を眺めていた少女は、考えた末にそう答えた。
少女「好き、がわかりません。…私は自分の趣味嗜好も忘れてしまったのでしょうか」
以下略
5
:
◆WnJdwN8j0.
[saga]
2016/01/22(金) 18:37:48.22 ID:B9+RLd+z0
神様「では何か簡単なものと衣装をお持ちしますので、この部屋で少々お待ち下さい」
少女「わかりました」
神様「あ、ひとつお願いが御座います。決して命令では御座いません」
以下略
6
:
◆WnJdwN8j0.
[saga]
2016/01/22(金) 18:38:32.50 ID:B9+RLd+z0
食事は無難にパンと野菜のスープ、衣装はこれまた無難に茶系のワンピースを持ってきた。
どちらのチョイスも抵抗はなく、言われたまま衣装に袖を通して食事を摂った。
少女「大分落ち着きました」
以下略
7
:
◆WnJdwN8j0.
[saga]
2016/01/22(金) 18:39:16.60 ID:B9+RLd+z0
少女「もうひとつ質問をしても?」
神様「はい、何でしょう」
少女「ここにいる間、私は何をして過ごせばいいでしょうか」
以下略
8
:
◆WnJdwN8j0.
[saga]
2016/01/22(金) 18:39:43.10 ID:B9+RLd+z0
神様「私の事情をお聞き頂いても良いでしょうか」
少女「えぇ、どうぞ」
神様「実の所、私も暇でして。貴方に尽くす以外にすることがないのです」
以下略
9
:
◆WnJdwN8j0.
[saga]
2016/01/22(金) 18:40:12.27 ID:B9+RLd+z0
人間と魔物が争っている世界がありました。
人間は英雄たる勇者を、魔物は王たる魔王をリーダーに立て、全面戦争を行いました。
やがて争いは激化し、遂に勇者と魔王は直接対峙することになりました。
以下略
10
:
◆WnJdwN8j0.
[saga]
2016/01/22(金) 18:40:51.38 ID:B9+RLd+z0
少女「…終わりですか」
神様「冗長にならないよう無駄を省いたのですが、味気ない話になってしまいましたね。取捨選択は難しい」
少女「そのお話について質問よろしいですか?」
以下略
11
:
◆WnJdwN8j0.
[saga]
2016/01/22(金) 18:41:38.53 ID:B9+RLd+z0
今日はここまで。
あまり長い話にならないと思います。
12
:
名無しNIPPER
[sage]
2016/01/22(金) 18:55:20.63 ID:7YKtjIYco
不思議な雰囲気
いいね
13
:
名無しNIPPER
[sage]
2016/01/22(金) 21:03:09.38 ID:LlHq9hUfo
意味が分からなくなってしまったって所かな
14
:
名無しNIPPER
[sage]
2016/01/23(土) 01:34:52.26 ID:4sFVh39H0
Deemoに似てるけどそれとはまた違う雰囲気。
続きが気になるな
15
:
◆WnJdwN8j0.
[saga]
2016/01/23(土) 17:35:28.68 ID:skfhj+7I0
神様「御機嫌よう」
少女の腹の虫が鳴き出した頃、神は食事を持って再訪した。
少女がそれらを平らげると、神はテーブルを拭きながら聞いてきた。
以下略
16
:
◆WnJdwN8j0.
[saga]
2016/01/23(土) 17:36:03.52 ID:skfhj+7I0
神様「そこまで考えたご褒美に、貴方の疑問にお答えしましょう」
少女「答えがあったのですね」
神様「まず、最初の疑問の答えです。何百年か前にも両種族は争い、互いに疲弊し決着がつかずに終戦を迎えました。そして両種族とも長年互いへの嫌悪感を増幅させていき、そしてある事件をきっかけに、再び争いが始まったのです」
以下略
17
:
◆WnJdwN8j0.
[saga]
2016/01/23(土) 17:36:30.67 ID:skfhj+7I0
人間の国には1人の姫君がおりました。
大変愛らしいその姫君は、人々の愛をその身に受けて育ちました。
しかし時代は人間と魔物が互いへの嫌悪感を増幅させている真っ最中。
以下略
18
:
◆WnJdwN8j0.
[saga]
2016/01/23(土) 17:36:56.89 ID:skfhj+7I0
少女「お姫様は何をしたのですか?」
神様「今回はそれを宿題にしましょうか」
少女「まるでわかりませんね」
以下略
19
:
◆WnJdwN8j0.
[saga]
2016/01/23(土) 17:37:35.16 ID:skfhj+7I0
それからまた時間は経過し、食事を済ませると、神は早速話を切り出してきた。
神様「答えは出ましたか?」
少女「わかりませんでした」
以下略
20
:
◆WnJdwN8j0.
[saga]
2016/01/23(土) 17:38:12.36 ID:skfhj+7I0
世間知らずの姫君はある日、好奇心から、立ち入りを禁止されていた森の中へと1人足を踏み入れてしまいました。
そこは人間、魔物関係なく、ならず者が潜んでいる森だったのです。
ならず者の中にか弱い女性が1人――これは格好の餌食です。
こうして姫君はならず者達の餌食になり、命は無事だったものの、心を壊してしまわれたのです――
以下略
21
:
◆WnJdwN8j0.
[saga]
2016/01/23(土) 17:39:21.57 ID:skfhj+7I0
少女「それが争いのきっかけですか?」
神様「王が粛清した者の中には、その日偶々森に遊びに来ていただけの、魔物達の王子がいたのです」
少女「その王子はお姫様に何もしていないのですか?」
以下略
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