33:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:14:47.87 ID:NYPOpsNEo
ちなつ「えーと、聞いてたかもしれませんけど、シンデレラをベースにした劇にしようと思ってました。
それで、お二人には、王様とお妃様の役をやって貰いたいんですけど」
西垣「はっはっは。つまり王子の両親というわけか。いいだろう。精一杯演じてやろう。なぁ松本」
34:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:15:16.96 ID:NYPOpsNEo
*
ちなつ「さぁ、あかりちゃん! なんとか今日中に仕上げちゃうわよ!」
あかり「うん、あかり頑張るよぉ」
35:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:15:44.46 ID:NYPOpsNEo
大筋は、一般的に知られているシンデレラの物語とほとんど一緒にすることにした。
意地悪なまま母と二人の姉にいじめられていた可哀想なシンデレラが、魔法使いに助けられて舞踏会で王子様に出会い、
めでたく結ばれる単純なストーリー。
36:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:16:11.35 ID:NYPOpsNEo
ちなつ「あかりちゃん、そろそろ寝る時間だね」
あかり「あ、そうだねぇ」
台本が出来上がった後、軽く中身をもう一回確認して、お風呂に入って一息つくと、もう夜九時近くになっていた。
37:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:16:37.85 ID:NYPOpsNEo
ちなつ「何それ、新手のガンボー?」
あかり「ぜ、全然違うよ。えへへ、何だと思う?」
あかりちゃんはそう言って、球体を私の方に向ける。
38:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:17:07.65 ID:NYPOpsNEo
ちなつ「わぁ……すごい……」
私は感嘆の声をあげることしかできなかった。
部屋の電気を消して、あかりちゃんがちょっと機械をいじくると、部屋中が一瞬で宇宙に包まれた。
39:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:17:39.65 ID:NYPOpsNEo
あかり「うん。何回か見てるからね。一等星の名前くらいは覚えてるよ」
そう言ってあかりちゃんは空を指差して、いくつかのお星様に名前を付けていく。
どれも一際強く輝く夜の王様たちだった。
40:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:18:14.26 ID:NYPOpsNEo
それは、目を刺すような強い光ではなく、ぼんやりと優しく輝く一つの星。
とても弱々しく、一度目を離したら次に見た時には消えてしまいそうな程で、
それでもずっと消えることなくいつまでもただ優しく照らし続けてくれているような、そんな光。
小さくても、誰よりも強く、私のために輝き続けてくれているような、そんな。
41:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:18:46.74 ID:NYPOpsNEo
私はそのまま暫くぼんやりと星空を眺めていた。
横から少しもぞもぞと音が聞こえる。
あかりちゃんも、まだ眠っていないみたいだった。
42:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:19:24.10 ID:NYPOpsNEo
*
物語はクライマックスを迎える。
西垣「はっはっは。王子よ。まだまだ未熟だな。その程度の剣技で私に勝とうなど。色恋にほだされて、冷静さを欠いたな」
43:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:19:53.57 ID:NYPOpsNEo
京子「はいカットー! それじゃscene12、『王子、シンデレラに誓いの口づけを交わす』行こうかー!」
結衣「いつからお前は監督になったんだよ!」
みんなが爆発で飛び散った小道具を片付けている中、ひとりふざけている京子先輩に結衣先輩が突っ込みを入れる。
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