過去ログ - 真「二人の幸せのために」
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24:名無しNIPPER[saga]
2016/02/11(木) 23:19:27.47 ID:n3AMBxtn0

十分に撫でてもらって満足した様子の雪歩は、体をモゾモゾと動かしてボクにピッタリと体を寄せてキスをした。
そして、重ねた唇の離し際、幸せそうな顔でこう言った。


以下略



25:名無しNIPPER[saga]
2016/02/11(木) 23:21:28.39 ID:n3AMBxtn0

――ボクはと言うと、枕に頭を沈めたもののなかなか眠れなくて、天井を見つめながら今の会話について考えていた。最後のやり取りのことがどうにも頭に引っかかった。

雪歩は気付かなかったみたいだけど……雪歩の「愛してる」という言葉に返事をする時、ボクは一瞬言葉に詰まった。「ボクも愛してるよ。」と言うつもりだったのに、喉で一旦引っかかって出てきた言葉からは「愛してる」が省かれていた。――何故?


26:名無しNIPPER[saga]
2016/02/11(木) 23:23:45.12 ID:n3AMBxtn0

…………「愛してる」って言葉を聞くのが初めてだったから驚いたのかな……。
「大好き」って言葉は数え切れないほど二人の間で交わされてきたけど、「愛してる」はボクも雪歩も使った事が無かった。――ついさっき雪歩が口に出すまでは。

“愛してる”……“愛してる”ってなんだろう?雪歩の様子を見るに、雪歩にとっては“大好き”と“愛してる”はほとんど同じ意味の言葉みたいだ。
以下略



27:名無しNIPPER[saga]
2016/02/11(木) 23:25:05.14 ID:n3AMBxtn0

心の中のガラスの玉が割れて中身が溢れ出した。ジワリ、と胸に暗い感情が染み渡っていくのがわかる。


その不安は最初からあった。だけど、時間が解決してくれるはずだと思い込む事で必死に目を逸らし続けてきた。不安自体が存在しないかの様に振舞ってきた。
以下略



28:名無しNIPPER[saga]
2016/02/11(木) 23:27:10.13 ID:n3AMBxtn0

雪歩はこの世で一番大切な親友で、でも、それ以上の存在ではなかった。“愛してる”のわからないボクは雪歩と恋人ごっこをしていただけだ。その間に何かがわかる事を期待していたけれど、時間は“好き”と“愛してる”の溝を埋めてはくれなかった。

ボクは布団を頭まで被り背中を丸めて暗闇の中で縮こまった。
雪歩を騙しているという罪悪感に胸が押し潰されそうになる。
以下略



29:名無しNIPPER[saga]
2016/02/11(木) 23:29:09.39 ID:n3AMBxtn0

……自分を騙して問題を先送りにするのももう限界だ。雪歩がボクにそうしてくれているように、ボクも雪歩に誠意を持って応えなきゃいけない。
……例えそれが、雪歩の望まない答えだったとしても……。


以下略



30:名無しNIPPER[saga]
2016/02/11(木) 23:32:09.76 ID:n3AMBxtn0

全体の40%程話が進んでキリがいいので、今日はここまで。


31:名無しNIPPER[sage]
2016/02/12(金) 00:14:18.91 ID:GScm2zoAO



32:名無しNIPPER[sage]
2016/02/12(金) 00:58:28.51 ID:YP8brv6No
いいね


33:名無しNIPPER[sage]
2016/02/12(金) 13:22:13.16 ID:K9qNMnUs0
これはいいゆきまこ


34:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 20:30:40.87 ID:6mipFv4H0

ライブまでの2週間、その間にも雪歩の口から何回か「愛してる」という言葉が出る事があって、その度にボクは剣で突き刺される様に心が痛んだ。
曖昧な返事しか返せないボクを疑わず、眩しい笑顔を返してくれる雪歩。その笑顔を見ることさえ辛かった。
でも、その痛みが雪歩に本当の気持ちを告白するという決意をより一層固めてくれた。

以下略



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