42:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 21:24:17.35 ID:6mipFv4H0
  
 ――ボクはなんて最低な奴なんだろう。雪歩にこんな言葉を言わせて……。 
 雪歩の涙の一粒一粒がボクを咎めているかのように思える。胸がひどく苦しい。 
  
 一瞬、何もかもを忘れて雪歩を抱きしめたい衝動に駆られた。 
43:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 21:27:11.04 ID:6mipFv4H0
  
 「――別れよう、雪歩。このまま付き合っていたら二人ともダメになってしまう。」 
  
  
 雪歩が震えながら伸ばしてきた手を振り払うような、拒絶の言葉。 
44:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 21:31:33.86 ID:6mipFv4H0
  
 「……ボク達が先に進むためにはこれしかないんだ。ボクも辛いんだよ……。わかって、雪歩。」 
  
 「真ちゃんと離れるくらいなら、先になんて進みたくない……。辛いなら、別れなければ良い……。」 
  
45:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 21:32:57.47 ID:6mipFv4H0
  
 絶対に伝えなければならなかったけど、一番言いたくなかった言葉。つい苦虫を噛み潰したような顔になってしまう。 
  
 雪歩に「君を愛せない」と伝えるのは、想像よりもずっとずっと辛いことだった。 
  
46:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 21:36:04.52 ID:6mipFv4H0
  
 ――プツンと、雪歩とボクを繋ぐ線が切れたような気がした。ズルズルと引きずってきた雪歩への未練が消えていくのがわかる。多分、今この瞬間に、ボク達は別れたんだ。 
  
  
 ボクの気持ちが引いていくのを感じ取ったのか、雪歩は顔を上げて小走りにボクの胸に飛び込んできた。 
47:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 21:39:24.41 ID:6mipFv4H0
  
 ――ふと、雪歩に告白された時の記憶が脳裏を過ぎった。あの時、ボクはどうして雪歩の告白を受け入れたんだっけ…? 
  
  
 『雪歩に告白されて嬉しかった』 
48:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 21:45:43.84 ID:6mipFv4H0
  
 涙がどうしようもなく溢れてくる。雪歩を傷つけてるのはボクなのに、泣く資格なんてないのに、どうしても止まってくれない。 
  
 コートの襟元を涙が濡らす。ボクはそれに構わず歩き続けた。 
  
49:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 21:54:22.92 ID:6mipFv4H0
 今日はここまで。明日で最後まで投稿できると思う。 
  
 読んでくれてる人ありがとう。 
50:名無しNIPPER[sage]
2016/02/12(金) 21:56:55.98 ID:frIxS9sgO
 乙です 
 バレンタイン前だというのに切ないねぇ… 
51:名無しNIPPER[sage]
2016/02/12(金) 22:00:22.62 ID:GScm2zoAO
 乙 
52:名無しNIPPER[sage]
2016/02/12(金) 23:45:05.60 ID:K9qNMnUs0
 心が痛い 
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