過去ログ - 水本ゆかり「瞬くたびに変わるように」
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8:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 14:39:06.32 ID:e0xKlt1b0
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 公園のベンチに腰掛けて、大きな時計を眺めていました。
 長針も短針も、動きそうな素振りはひとつもありません。
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 14:40:09.57 ID:e0xKlt1b0

 うっとり、上のまぶたが落ちかけていたころ、足元にサッカーボールが転がってきました。

 近くで男の子が小さく手を上げて、ボールを蹴って。そう言いました。

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10:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 14:40:55.50 ID:e0xKlt1b0

 ベンチの上を小さく払って、男の子はそこに座りました。

 小学生くらいのこの子は、どこかで見たことがあるような顔をして、少し笑っていました。

以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 14:41:56.99 ID:e0xKlt1b0

「ぼくにはあんまりわからなかったけど」

「そうですよね……私ったら」

以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 14:42:30.09 ID:e0xKlt1b0

「あっ、あの! どこに向かってるんですか!?」

「大丈夫、もう着くから! ほら!」

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13:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 14:43:12.06 ID:e0xKlt1b0

「いいところでしょ?」

「はい、絵本の中みたい……」

以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 14:44:14.15 ID:e0xKlt1b0

 ひとしきり桜の絨毯の上で笑ったら、男の子がぽつりぽつり話し始めました。

「ぼくにはお姉さんの悩みはわからないけどさぁ」

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15:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 14:44:46.34 ID:e0xKlt1b0

 手の中には、やっぱり水は残っていません。
 それでもきらきらのビー玉は残っていて、私は思わず男の子の方を見ました。

「ね、きれいでしょ」
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16:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 14:45:36.87 ID:e0xKlt1b0

 そう言われて、今までのお仕事や、プロデューサーさんとのおしゃべり、ステージから見える景色が全部、ビー玉の中に見えた気がしました。

 そっか。そうなんだ。

以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 14:46:27.16 ID:e0xKlt1b0

「どう? 少しは楽になったかな」

「はい、あなたのおかげで、いい感じです……!」

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18:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 14:47:32.57 ID:e0xKlt1b0
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「……かりさん、ゆかりさん、起きて!」

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