6:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/22(月) 11:01:04.34 ID:NDuKW9gF0
「そうだね。私達はオフだよ。奈緒と一緒にトライアドプリムスとして最後のステージに立ったからね」
「奈緒はあのステージでアイドル引退したけど、私達まだアイドルだからね。休みの日でももっと上に行く為に研究は欠かせないよ」
「へ、へぇー、さすがは勉強熱心だなぁ、それじゃあますます邪魔するわけにはいかないよ」
7:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/22(月) 11:01:57.85 ID:NDuKW9gF0
「で? 一昨日から付き合ってるんだ?」
「昨日は奈緒の引退のためのステージだったのに? へー? そうなんだー」
経緯を一から説明させられ、あたしは顔から火が出そうなくらい恥ずかしかった。余裕がなくてふたりの方を見れなかったから、しばらくは良かった。でも、ちらっと二人の方を見たら、あたしの顔色は赤から青に変化した。
8:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/22(月) 11:02:25.28 ID:NDuKW9gF0
「じゃあ、次は私から質問するね」
「お、おう?」
ひたすら笑顔の加蓮が怖い。笑顔ってここまで人の恐怖をあおるんだな……。
9:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/22(月) 11:03:02.38 ID:NDuKW9gF0
「じゃあ次はプロデューサーに質問するから、奈緒はステイ」
犬のような扱いをされている気がしないでもないが、今、この二人に逆らうのは死を意味する気がする。
「ねぇ、Pさん」
10:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/22(月) 11:03:30.05 ID:NDuKW9gF0
「あの……ですね……、あの時の奈緒は自宅の敷地に居たので……アイドルではなくて、ただの奈緒でして……」
良い大人の男が、年下の小娘相手に怯えながら弁明する様は傍から見ればさぞ滑稽だろう。
「ふーん……。プライベートな敷地だったら良いんだ。へー……」
11:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/22(月) 11:04:18.19 ID:NDuKW9gF0
「そう……でしたっけ……?」
Pさんが精いっぱいの作り笑いを浮かべている。その作り笑いを見た凛の周囲の気温が一気に下がった気がする。
「私の時も、アイドルの渋谷凛じゃなく、花屋の娘の渋谷凛として、って言ったはずなんだけど」
12:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/22(月) 11:04:48.53 ID:NDuKW9gF0
「黙ってられるか! 黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがって! ふざけんな!」
声が荒くなる。Pさんを物みたいに扱うのはなんか嫌だけど、Pさんはあたしの物だ!
「わかった。じゃあ奈緒も告白すればいいじゃん」
13:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/22(月) 11:05:20.20 ID:NDuKW9gF0
「初めて、プロデューサーにスカウトされて、一番長く一緒にやってきたよね。ありがとう。最初はただのパートナーって感じだったけど、今は違う。あなたと一緒に居たい。ううん。Pさんだからずっと一緒に居たい。だから、私と付き合ってください」
「初めて会った時は生意気だったよね。ごめんなさい。でも、あの頃の私は何も楽しい事がなくて、すごくつまんなかった。でも、Pさんが私を見つけてくれて、Pさんが私に色々楽しい事を教えてくれたんだよ。ありがとう。大好きです。付き合ってください。お願いします」
二人の告白を聞く。すごく真剣で、本気なのが伝わってくる。それに比べてあたしは……。
14:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/22(月) 11:05:51.48 ID:NDuKW9gF0
「ううっ……ひっく……、あ、あたしは……お前らに……きら、われたくない……」
しゃくりあげながら心の内を吐露する。あたしは凛と加蓮に嫌われたくない。これは紛れもない本心なのだ。
「でも……! 例え凛と加蓮に嫌われても……うぇっ……くっ」
15:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/22(月) 11:06:23.94 ID:NDuKW9gF0
あたしが二人を睨み付けながら威嚇していると、いつの間にか近寄ってきていたPさんが突然、あたしの事をぎゅっと抱きしめた。
「え、ちょっ……Pさん?」
驚いてしまい、Pさんの胸の中でPさんの顔を見上げながら問いかける。
16:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/22(月) 11:07:03.55 ID:NDuKW9gF0
「俺は、奈緒が好きだ。奈緒だけが、俺の好きな、愛している人なんだ。だから、二人の気持ちには応えられない。俺の目には奈緒しか映らないんだ」
そう言った後、Pさんはあたしを抱きしめるのをやめ、顔を右手で掴む。
「え?」
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