過去ログ - 【ガルパン】優花里はもう一度立ち上がる
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1:名無しNIPPER[saga]
2016/03/06(日) 23:02:26.20 ID:GDhsADtgo
知波単学園との練習試合、大洗女子学園のフラッグ車であるIV号戦車のあんこうチームが相手フラッグ車を追い詰めた時にそれは起こった。
砲手の五十鈴華が放った砲撃は、フラッグ車の急制動を読み切れず外してしまう。次弾装填を急がないと、逆にこちらが危ない。
そう考えた装填手の秋山優花里は急いで砲弾を掴む、が。
「あっ」
焦りが普段起こさないミスを起こしてしまい、手から離れた砲弾が転がり、運悪く前に座っている通信手の武部沙織の腰に当たってしまう。
「痛っ!」
「沙織!?」
通信機越しの沙織の悲鳴に驚いた操縦手の冷泉麻子が一瞬だけ手を止めてしまい、IV号戦車は数秒停止してしまう。そこを好機と見逃さなかった相手フラッグ車がIV号戦車の側面に回り込んで砲撃、IV号戦車からは白旗が上がった。

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2:名無しNIPPER[saga]
2016/03/06(日) 23:02:52.60 ID:GDhsADtgo
『大洗女子学園フラッグ車、走行不能! よって、知波単学園の勝利!』
「みんな、怪我は……、沙織さん、大丈夫ですか?」
試合会場に結果を告げる審判の声が響き渡り、騒めきがあちらこちらから沸き上がる中、車長の西住みほが乗員の無事を確認しようとして、先に悲鳴を上げた沙織に声をかける。
「もー……ゆかりん、痛いよ……」
「も、申し訳ございません、武部殿……」
以下略



3:名無しNIPPER[saga]
2016/03/06(日) 23:03:28.65 ID:GDhsADtgo
優花里が事情を話すと、みほは次は気をつけてと言って、車両の外に出ていた沙織の腰の辺りをさすって痛みを和らげようとしている。
「優花里さんがミスをするのは珍しいですね……、でも、ミスは誰にでもありますから、あまり気に病まない方が……」
「五十鈴殿……」
華に慰められて、更に意気消沈する優花里。自分のミスで負けてしまった事もそうだが、何より友人に痛い思いをさせてしまった事に自分でもショックを隠せないのだった。


4:名無しNIPPER[saga]
2016/03/06(日) 23:04:12.78 ID:GDhsADtgo
そこから優花里のスランプが始まった。装填の速度が躊躇から落ちてしまい、練習や紅白戦で遅れを取る事が目立った。来年度の全国大会の為に練度を上げなくてはならないと言うのに、上手く噛み合わない。
「うぅ……どうして足を引っ張ってしまうのでしょう……」
スランプの原因は分かっているが、砲弾を持とうとする度に涙目の沙織の顔が脳裏をよぎって、一瞬だけ砲弾を持つ手が止まってしまう。
その度に練習中、試合中、と言い聞かせて装填をするのだが、一瞬の躊躇が練習の成果を下げ、紅白戦では勝敗に関わってくる。
戦車道の授業が終わった後、優花里は今日も失敗したと落ち込み、とぼとぼと自分のクラスへ戻っていく。
以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2016/03/06(日) 23:05:06.73 ID:GDhsADtgo
「ゆかりん、もしかしてまだあの事、引きずってるのかな……」
「……私、優花里さんにもう一度話してきます!」
みほは、下校時間を見計らって彼女のクラスに顔を出して優花里の姿を捜す。
「あれ、戦車道の西住さん? 秋山さん、気分が悪いって早退しちゃったよ」
「そうですか、ありがとうございます」
以下略



6:名無しNIPPER[saga]
2016/03/06(日) 23:06:03.96 ID:GDhsADtgo
優花里の家である秋山理髪店へと足を踏み入れて、みほが優花里の母に優花里の事を尋ねると、どうも最近様子がおかしい、今日だって暗い顔をして帰ってきた、と言ったので、家に上がらせてもらって優花里の部屋をノックする。
「優花里さん、居る?」
「……に、西住殿、えっと、その」
「入るよ?」
「ま、待ってください、今は──」
以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2016/03/06(日) 23:06:29.71 ID:GDhsADtgo
優花里は、きっと自分のミスに皆は呆れかえっているのだろう、何も言わないだけで内心では……、そう考えていた。だから、こうしてみほが来てくれて、優しくしてくれることがたまらなく嬉しかったし、悲しかった。
しばらく泣いて、落ち着いた時に、ポツリポツリと怖かったことを話すと、みほはまた優しく優花里の頭を撫でる。
「大丈夫、大丈夫だよ、優花里さん。あんこうチームのみんな、私も、優花里さんが大切な仲間だから、大丈夫」
「ううっ、西住殿、ありがとうございます……」
と、部屋の外から複数の足音が聞こえてくる。何事かと二人が顔を向けると、扉が開いて沙織、華、麻子の三人が部屋に入ってきた。
以下略



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